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「はぁ…。取り敢えず、今日は帰ってもらえ」
「……分かったよ」
ドンと押されたと同時に胸ぐらを掴んでいた手を離され、皺が寄ったシャツを適当に整えて緩んだネクタイはそのままでドアを開けた。
「あ、蓮先輩大丈夫でしたか?何か凄い音してましたけど」
「ん、何でもないよ。でも、今日はダメだって。だから、ごめんね」
「…そうですか、分かりました。じゃあ、今度は僕の部屋に来て下さいね?」
「あぁ、そうするよ」
冴が階段を降りて行くのを見届けてから、ドアを閉めた。
一呼吸置いて、ソファーに座る流を見る。
「帰ったよ」
「ここに座れ」
リビングに戻り、流と向かい合う様に床に腰を下ろした。流の眉間には皺が寄り、酷く怒っている事が解る。
「で、尚が益川と何だって?」
「だから、さっき…尚と隼人くんがキ、キス…してる所見ちゃったんだよ。尚が好きな相手は、隼人くんだったんだ」
「だから何?それで諦められる程お前の気持ちはその程度だったのか」
「違うよ!」
「違わないだろ。尚を忘れる為だかなんだか言って、恋人見つけるとかフラフラしやがって」
「そう、だけど…」
「他の男に告白する勇気があるなら、尚に言ったら良かっただろ」
「無理だって、流知ってるじゃん。恐いんだよ…尚が離れてくんじゃないかって。ずっと、そう言ってきたじゃんか」
「はぁ……解った。なら好きにしろ。でも、これだけは言っておく。恋人が出来たからって、前みたいに仲良く友達ゴッコが出来るなんて思うな」
何だよ、何でだよ…。
何でそんな事言うの。
大丈夫だよ、俺と尚は。ちゃんと友達として前よりも仲良くなれるよ。
大丈夫。
絶対、大丈夫。
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