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03
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胸が顔から離れ、蓮と目が合う。顔が近くて、眩暈を起こしてしまいそうだ。
今まで、こんなに近くで蓮の顔を見た事があっただろうか。
「尚は、何で俺にキスしたの?」
尋ねられて、顔に熱が集まる。
「尚、隼人くんと付き合ってるんじゃないの?」
でも、その言葉で熱は一気に引いてしまった。
俺と隼人が付き合っているとはどういう事だ?
誰だそんな噂を流したのは。
「付き合ってねぇよ」
「だって、キスしてた」
噂じゃなくて、見てたんだ。隼人が言っていたドアが閉まる音は、蓮が閉めたものだったんだな。
「告白はされたけど断った。だから、あれは不意打ちで避けれなかっただけだ。蓮こそ、冴くんが居るだろ」
「…ついさっき、冴に振られて来たよ。尚が好きだからって言ったら、こっちから願い下げだって言われちゃった。だから、堂々と尚に告白出来る。…もう一度言うよ。俺は尚が好き。尚が隼人くんと付き合っていないなら、俺の恋人になって欲しい」
「っ…」
「で、何で俺にキスしたの?」
また同じ事を聞かれて、引いたはずの熱は一気に戻ってしまった。
もう、大丈夫。
言っても、この関係は崩れない。
きっと、違う形で一緒に居られる。
この時、本当にそう思った。
「…ム、ムカついたから。その、冴とキスしようとしている所を見て、すげー嫌だったから」
言ってて凄く恥ずかしくなってくる。嫉妬してるって、言っているようなものだから。
「それは、何で?」
「……は?何で聞くんだよ」
「知りたいから。尚が、俺の事どう思ってるのか。……お願い、聞かせてよ」
甘い雰囲気には慣れていない。
蓮が放つこの空気は、甘過ぎて、酔ってしまいそうだ。
先程よりも、寄り近付いてくる蓮の顔に、緊張からか小さく身体が震える。首筋に落ちた蓮の唇は熱くて、俺のそこは蓮の熱が伝わったみたいにじんわりと汗ばんだ。
首筋から鎖骨、鎖骨から胸へと移動する蓮の唇に、擽ったいような、気持ち良いような。
こんな風になれるとは思いもしなかった。
願っても、絶対叶う事はないと思っていた。
でも、蓮が今俺に触れている。
中学生の時みたいにふざけてではなくて、俺と同じ気持ちで蓮の唇が身体に触れている。
「尚、……聞かせて」
「んっ」
ちゅ、と…音を立てて蓮の唇が一度離れて、それが胸の尖りに触れた。
答えを急かす様に何度もそこを吸われて、今まで感じた事のない感覚に、堪らず俺は譫言のように、
「す、すきっ…蓮が、すきっ」
蓮の背中に腕を回し、しがみついて、そう言ってしまっていた。
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