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丘のふもとまでセロジネが少年達を送っていく
振り返り乳白色の建物を見上げるエイラートに、
セロジネは独り言のように呟いた
「あそこいるのは世界法則機構によって、永遠に思いの通わない恋人であることを定められた人達なんだ
結ばれることはないのに離れることは許されず、ずっと囚われている」
少年達の視線を受け、郵便局員は笑った
「嘘だよ、」
セロジネと別れた後、エイラートが立ち止まり
アズルが尋ねた
「どうかしたのかい?」
アズルは手を差し出すがエイラートは背中に手を隠し不安気に問う
「僕をどこへ連れていくの?」
拒まれてもアズルは微笑む
「エイラートは孔雀石(マラカイト)と土耳古(トルコ)石の共生した石のことだね
僕のアズルは藍銅鉱(アジューライト)からとったんだよ」
ペッツ博士は窓から外を眺めていた
「アズルと言う少年、綺麗な藍色の瞳をしていたな
まるで藍銅鉱のような」
ふと思い出し、笑う
「藍銅鉱は孔雀石と第二次鉱床において産出されることが多い」
「楽しいですか博士?」
カラベラスが体を合わせてくる
「セロジネに言ってやりましたよ、薬は渡さないって」
「なんのことだ、」
逃げる博士の腕を取り、カラベラスはソファへ押し倒す
「貴方が私にその薬を使ったのは分かっているんです
そして貴方を愛させて、ここから逃げ出さないように縛りつけているんだ
そうでなければ、貴方がこんなに欲しいなんておかしいじゃないですか」
博士の眼鏡が床に落ち、高い音を立てた
その深い翠の瞳に吸い込まれ、カラベラスは唇を重ねる
「でも本当は貴方は俺の主治医で
俺はとうに狂った患者なんです」
「おもしろい妄想だが
後の寝物語にしてくれないか」
博士は息の乱れる助手の唇を指でなぞると、白衣の襟をつかみ
自分の方へと引き下ろした
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