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二十八
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川崎君が休憩したいって言って部屋出てっちゃったけど……俺が教えることはほぼ終わっちゃったんだけどなぁ…。
凄い偉そうなこと言っちゃうけど、川崎君やればできるんだもん……。俺が教えたことすぐ飲み込んでくれる。
今日はテスト前最後の勉強会だから…長めに、って俺も思ってたけどそんな事しなくてもよさそうかな、って。
……でも、この勉強会が終わったら川崎君の家に来ることも無ければ毎週のように川崎君と接触する、って事もないんだろう。前みたいに挨拶を交わす程度の関係に戻るんだな、って思ったら物凄く寂しい。俺なんかがこんな事思うの烏滸がましいんだろうけど、これからも川崎君とこういう風に話す機会があればなぁ、なんて思ってしまう。
きっと…それだけ川崎君の事を…
好きになってるんだと思う。
そんな事を考えてたら急に川崎君が戻ってきたから驚いて顔を上げてしまう。
「お待たせ!」
ニコニコしながらジュースとお菓子を手にしてる川崎君…。
お構いなく、って意味も込めてもう帰る意思を伝えれば、
「え?!俺、バリバリやるつもりで休憩時間取ったんだけど」
これ以上やんなくてももう大丈夫なんだけどなぁ…。
そう言って勉強道具を鞄にしまおうとした時だった、
「なぁ、待って」
「…っ!え…?」
急に腕を捕まれてジッと見つめられる。
「今日…泊まって」
……え、泊まって…?
「え、あ、…とま、る?」
「うん。…明日土曜日だし」
「や、でも…っ」
「勿論飯も風呂も用意するし」
泊まるって、この川崎君の家にだよね?
突然の申し出に頭が真っ白になる。
「もーちょい確認したい所もあるし……あとまぁ、……お前ともっと話したい、し」
俺の腕から手を離してチラッと視線を寄越しながらそんな事を言う川崎君に心臓がドキッと音を立てる。
「お前がどーしても無理、ってんなら諦めるけどさ…………なぁ、だめ?」
川崎君はズルい……そんな事言われて断れるわけがない。…それに、変に期待しちゃうような事言わないでよ…。
でもあくまでも勉強の続きをしたいから、って事なんだろなぁ。
明日はこれと言った用事も特に無かったから断る理由もなくて、…あるとしたら俺なんかが泊まっていいの?って事くらいで。
それでも川崎君にダメかと聞かれたら断れなくて、
「分かった……泊まってく…」
「まじ?!」
嬉しいわー、なんて何をそんなに喜ぶの分かんないけど、それよりも俺は明日まで川崎君と一緒だと思うと今から気が気じゃない…。
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