アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
じゅうご
-
※すみません、一話分お話抜けてました(>_<)話が繋がらなくておかしいな、と思われたと思います、申し訳ありません!こちらの話が15話目です!
もう、なんか。
可愛い。
うん、可愛いって思ってしまった。
昨日のは確実に。
あの後、徹ちゃんが「お前大丈夫か?なんかあったのか?…さっきの田端だろ?急に飛び出してったけど」って言われて。大丈夫っす、大丈夫っす、いや大丈夫じゃねぇ、とかわたわたしちゃって。
とりあえず早く帰れよ!ありがとな、って言われて。図書室の鍵を徹ちゃんに返して自分も帰ることにした。
駅で改札通るとき、定期を見れば思い出すのは田端で。ブワッ、て顔が赤くなるのが自分でも分かった。色々思い出して。
でもそれと一緒になんで田端は俺にあんな顔したの?って事で。それってどういう意味だろ、なんて考えてたら降りる駅乗り過ごしそうになって危なかった。
「はよー、旭ー」
「はよす、高岡」
「あれ?今日は田端に挨拶しないのー?」
「っ……」
次の日、教室に入るなり高岡と北村に話しかけられる。北村お前痛いとこ突いてんじゃねぇよ。
「っ、い、今からすんだよ!!」
「ほう…」
確かにそうだよな、と。昨日まであんなに毎日田端に挨拶しに行ってたのに急にしなくなったんだから怪しいに決まってる。
でもさ、昨日の今日だよ。田端にあんな顔されて、それでボーッとしながら家ついて、今日は飯いらねぇって良子にいってそのまま風呂入って寝た。気づいたら朝でもう教室。心の準備もへったくれもねぇ。
挨拶しに行くに決まってんだろ、って田端の席へ行くけど変な汗手にかいてるよ俺。
「た、田端っ……はよ…」
今まで田端に挨拶するのなんて変な話俺は何とも思ってなかったって言うか、そりゃ仲良くなりたいとは思ってたけど、緊張するとか考えてもなかった。
が、今はその緊張とやらをしている自分がいる。本当どういうことだ。
いつもより勢いのない声で田端に声をかければ、
「っ………お、はよ………」
あ、ダメだ。
可愛すぎて。
俺が挨拶したら、ビックリしながら顔を上げて、俺を見た瞬間みるみるうちに顔を真っ赤にして読んでいた本を口元にサッとあげる。目線を俺から逸らした後に控えめに、おはよ。なんて。
俺はとりあえず出た。教室から飛び出した。
出て行った教室から旭!!なんて呼ぶ声がしたと思うけど、まあ俺の耳に入るわけもなく。
マジなんなのこれ、どうした俺!!
ドクンドクンと振動が頭にまで伝わる。クシャって左胸の制服かき集めて手のひらで握る。
ダッシュして階段駆け上がってそのまま普段から解放されてる屋上のドアを開けた。
「っ、はぁ、はぁ………はぁ…」
策の方まで走ってガシャンっとそのまま寄りかかる。
「俺さ…これ、もうさ……そういう事じゃん」
風邪が心地よい屋上で1人ぶつぶつ言う俺。
可愛い、って。女の子はみんな可愛いよ。いい匂いするし。柔らかいし。
田端は?
可愛いよ。でも柔らかくはないかな。昨日の俺抱きかかえた時ちゃんと男の身体だった。…いい匂いはした。
何でだろう、何でだろうと何回も自分の頭と心に自問自答。
でも、やっぱアレだよ。
さっきのアレなんだ。
田端、本で口隠して真っ赤になってさ。いつも下向いたり本で隠して挨拶するんだ。
今日はさ………本で口隠した後にさ、目を泳がせて。俺から逸らして。
そこからまた目線をちゃんと俺に戻して、はにかみながら笑って言ったんだ。
「おはよ」
って。
「アレはダメだろ」
クルッと向きを校庭側に変えて策を掴む。
「あー……好き、だわ…」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
19 / 41