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仁の実家2
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「で、あっちでお酌してるのが妹の瀬奈」
着物を着た若い女の子がにこやかに手を振ってくる。
「で、メガネかけてるこいつが弟の奏太」
「どーも。」
ま、真面目そう。
しかも、でけぇ!!
でも、愛想が良くて、笑ってくれるから威圧感はなくて
「奏太は大学生だから、勉強を教えてもらいな。頼むな、奏太」
「いいけど、この子誰?肝心な事情っつうのが抜けてるけど?」
「仁はいつもそーだもんねー?」
瀬奈さんが奏太さんに抱きつくと、奏太さんは嫌そうに顔をしかめた。
「あー…この子、進学のために金貯めてんの。ここで働かせてやってくんない?」
ストレートに言うよな。
ダメかもしれないのに。こんな得体のしれない奴を家族の中に入れるなんて
「いいわよっ!ね、父さん」
「いいぞー!」
…この家族、変だ。
「おにいちゃん、おにいちゃんになるの?」
「ちがうよ、おにいちゃんは僕たちのおにいちゃんになるよ!」
「優、龍、意味一緒だからねー?」
瀬奈さんは双子の頭を撫でる
「あー、ごめんね。ここの一家みんなこんな感じなんだよ。」
奏太さんは苦笑いしながら言った。
蔑んでるようで、でも、誇りに思ってるようだった。
「親御さんは大丈夫なの?」
「…り、了承をもらったので」
嘘をついた。
だって、あそこには帰りたくないから。
「あと、帰る場所が…その…なくて」
図々しいとは分かるけど、本当に行くとこがなくて
「なら、仁が面倒みなさい。仁の家はここから少し離れたアパートなのよ。
うちは20歳過ぎたら、独り立ちさせるから」
雪菜さんがそう言うと、仁がうなづく
やっぱりあっさりすぎる…
「いーよー。じゃあ明日から学校行って、帰ったら9時まで勉強。奏太は暇があったら教えてやって!9時から働いて、1時には寝ること!」
「う、うん!」
「じゃあ、みんなご協力しあって頑張ろー!!おー!!!」
「「「おー!!!」」」
仁が腕を振り上げると、みんな挙げる
なんだ、この一体感…
ポンと頭に手を置かれる
「キツイかもしれないけど、頑張るぞ、春斗」
にっこりと笑われて、俺も頬が緩む
「う、うん。」
でも…
「そうと決まったら、飲むぜ!!!」
「おらっ!仁太、逃げんなっ!!」
大丈夫…かなぁ?
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