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佐知 和樹4
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不機嫌な佐知をシカトして
俺は仁の隣をキープした。
別に対した意味はない。
ただ、隣にいたいから。話したくなっちゃうからそばにいるだけだ。
ただ、それだけ。
「おぉー!!」
連れてこられたのは、チューリップ畑だった。
「この公園、花畑が多いだよ。いいだろ?」
「うんっ!!」
黄色も赤も、沢山の花が咲き誇ってまるで花の絨毯だ。
綺麗だ
綺麗なものは…好きだ。
「花、なんて…高校生の男に。」
「佐知、いい加減にっ…」
佐知は嫌味を言っても、仁は笑ってる
「そうなんだけど。なんていうかさ、春斗には花が似合うなぁって思って」
花が似合う?
それは…どういう意味なんだ?
「花って綺麗だろ?色も形も、香も。それに雨の中でも負けずに咲いてたりする姿が、なんとなく春斗に似てると思ってさ。」
俺の事を想像して、連れてきてくれたんだ
仁の心の中で俺を考えてくれたと思うと、くすぐったくて嬉しい
また頭を撫でられて、触れたところが熱くなる
熱い、熱い。
恥ずかしいのに、もっともっと触れて欲しい
「なにそれ、殺し文句?」
佐知はまた不機嫌そうだった。
「うん?素直な感想かな。佐知くんも、素直に気持ちを表さないと、ずっと伝わらないと思うよ?」
かああっと佐知の頬が赤く染まった。
「〜っ!う、るせーっ!!」
「おい、佐知!」
「頭!冷やしてくるっ!!!」
言い捨てると、佐知は歩いて行ってしまう
どうしよう、怒らせた
「…俺が突っつき過ぎたかな?ごめんな。」
「仁は、悪くないだろっ!あいつが勝手に怒っただけだ!!」
そうだ!
今日のあいつ変だ。
いつもは優しくて、ふざけてるくせに
「いつもは、いい奴なんだ。今日はちょっと…変なだけで」
そう言うと、仁は笑った
「いいんだよ。理由は分かってるから。悪いけど、話に行ってもらえるか?俺はここで待ってる」
「…うん。」
理由ってなんだろう。
仁はなんでも分かってる気がする。
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