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形成逆転
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荒れ具合は他の部屋と変わらない。教室に入るなり宮古はするりと俺から離れるとどこからともなく大きな刃渡りのハサミを探し出してきた。というか
「お前何で逃げねえの…」
こうなりゃ逆に薄気味悪いぜ。身構える俺に失笑し答えないまま持っている錆びかけた銀のハサミを空中でチョキチョキと鳴らして見せた。
癪だがどうすることもできないので俺は近くにあった実験用机に腰掛け大人しく腕を差し出してみる。宮古はちょっと雑な手つきで手首からゆっくりと刃を差し込んで粘着質なガムテープを切り落とし始めた。刃先が進んでいく度に蒸れた皮膚に冷たい刃の背が当たり、うっかり肌ごと切られやしないか危うんだがそこは器用らしい。
両断を終え切り込みが入っていった所から徐々に剥がしていくが素肌に張り付いたガムテープは予想通り頑固だった。
「いったたた!優しく!優しく!」
「剥がしてんだ、我慢しろ」
ハサミを横の机へ放り投げ俺のガムテープを容赦なく剥きにかかる宮古は天使か悪魔か分かったもんじゃねえ。
つい痛みに負けて腕を引いたらテープを掴んでいた宮古の手も付いて来て勢いのまま体が俺の方へぶつかった。机の上に浅く座っていた為にバランスが悪く呆気なく背をついて倒れ込む。後頭部に机面が当たったかと思うと突然宮古が流れのまま覆い被さり組み敷いて来た。
「は!?何!?」
まだガムテープが張り付いたままの腕を頭上へ持って行かれ、抵抗しようとひっぱるも剥がれそうで剥がれねぇ。
訳が分からず相手を蹴り飛ばそうとするが抱え上げるようにして押さえ込まれ鳩尾に肘を食い込まされた。
「何すんだよッ離せ!」
「ハァ?馬鹿かお前。こんな好都合な状況で離すわけねぇだろ」
「…なッ!」
(…くっそ!さっきまで大人しかったから油断してた…!)
血の気が引いて青ざめる俺に宮古は意地の悪い冷笑を貼り付けた。
「別にカメラなんか無かろうがここでヤったという事実を残せばいいんだよ。なァ」
「やめろッ、馬鹿はどっちだてめエ!つーかお前ソッチ系じゃねーんだろ?!」
笑みを消して一瞬間固まった宮古だったが直ぐに真剣みを帯びた表情になった。
「気が変わった」
「いやいやいや!気だけでなんとかならねえだろ、さっきまで七山にドン引きだったじゃねえか…無理すんなって」
「無理してねえよ」
何を考えているのか思考回路がサッパリ分からん。読めなさすぎて気持ち悪い男だ、こいつ。
「うるせえ、大人しくしてろ」
「できるかァ!せっかく逃げて来たのにこんな所で!…ッぐ」
両腕を頭上から力一杯振り下ろして宮古の顔にでも当たらないかと拳を放ったが虚しく片手で遮られた。変わりに鳩尾を押さえていた肘が下腹部へ移動して股の間に滑り込む。嫌でも先程七山に施された行為を思い出して悪寒が背筋を走った。
埃っぽく照明の壊れた理科室は夜みたいに薄暗く、窓に引っ掛かった暗幕もズタズタに破けてる。見上げた宮古の顔に深い影が落ちていかにも悪者臭い。
切れ長の目が更に細まって怯えた俺を映し、唇は弧を描いたままでこいつの腹の中は髪の色よりもどす黒いんだと内心で嘲笑った。
「御法、」
「…!っ」
「お前がファイアービートに入るって言えばこんなこと、しなくていいんだぞ?」
耳元で囁いてくる言葉が酷く憎たらしい。繋がったままの両手で胸元を精一杯押し返す。
「しつけえ…!俺は、絶対入ら…ッんむ」
怒鳴ろうと声を荒げたのが運の尽き、あの時自分から仕掛けたキスよりも比べ物にならないくらい深い口付けに呼吸を奪われ熱い舌が口内を蹂躙する。上顎を擽られ行き場のない俺の舌を角度を変えて吸い上げながら、上体を押さえ込む手をベルトに伸ばした。
「んっ…!やめッ」
「さっき七山にたっぷり慣らされたから平気だろ?」
「そ、いう問題じゃ、あ」
唇が触れ合ったままの距離で発せられた言葉は直に皮膚を伝って鼓膜まで振動し、うっかり惚けて抵抗するのを止めそうになる。何度目かのキスで嫌悪感どころか気持ちよさが勝っていて、ずっと抵抗してきただけに体力も精神力も低下していた。
そうとも。ハッキリ言って、疲れた。
スラックスから尻だけを出すような格好にさせられ両脚は宮古の肩に乗せられる。もしかしなくとも今までで一番ピンチの状況なのに上手く体が動かねえ。宮古のスラックスのジッパーが降ろされる嫌な音が鳴った。
「くっ、はぁ…んッ」
「随分大人しくなったな、」
押し返していた腕の中へ久しぶりに宮古の頭が入り縋るような体勢に。熱烈なキスのせいでぼんやりする脳内はただ「早く終われ」とせがむばかりで打開策がまったく出てこない。
今この状況が、疲労で抵抗しなくなるのを見越してここに連れてきたのが、妖しく笑みながら口端を舌で舐めとってくるこの男の策だったら。大人しく付いて来るフリをして油断させたのも全部、宮古の策略だったら。
大魔王だ。
「くっそ、やめろ変態っ、ばか」
「こら、暴れんな」
慌てて身を捩ったが遅かった。ぬるりとした感触が臀部を伝う。
「ッう、そっ」
嘘じゃねえよ。そんな囁きは衝撃にかき消された。宮古のナニの先端が俺の尻孔に触れる。自分のじゃない別の熱が解されて赤く腫れっぱなしの箇所へゆっくりと埋め込まれていった。
「ッ――!!ひッン、や、やめ、ろっ…あう、無、理無理無理むりぁ」
「…ッ、力抜け、まだ半勃ちだから入んだろ」
このサイズで半勃ちとか、気が遠くなる。というか既に遠い。いくら慣らされようが俺は男だっての!
みちみちと強制的に襞を押し広げられ先走りに濡れた妙な感触が粘膜を抉るように突き上げる。なんとも言えない痛覚がビリビリと末端から這い上がり奥へと突き破って圧迫感に肺が苦しい。どれくらい入ったのか、恐怖と痛みに痙攣する俺の唇を吸いながら宮古は額に汗を滲ませてうっとりと呟いてくる。
「中、すげえぞ…お前、怯えてる顔が一番可愛いな」
「……っシネッ、抜けよっう…ア、」
「ふ、…ッ、全部、入れてやる」
その言葉を最後に一息に奥まで体内を貫かれ戦慄した。間髪入れず接続部からじわじわと揺さぶりが激しくなる中で段々と宮古の性器も大きくなるのが分かる。
「!?んッ…う、う」
快感なんて全くない、ただ自分の意識とは関係なく擦られる度に中が収縮して宮古を喜ばせる。男相手に獣みたいにがっつかれて尻を出すなんて、俺もう終わった。
「良かったな、お前素質あるじゃねえか」
「あっ、いっ…ひ、い」
そう言いながら下着の中に隠れたままの俺の雄を布越しに鷲掴んでくる。皮肉なことに反応して頭を擡げ始めたソレは萎える気配は無かった。さっき七山に焦らされてたから勃ちやすくなっただけ、なんていう言い訳は虚しいのみ。
もう何でこうなってんだ。腕にガムテープを張り付けたまま我慢して先生の所に行くんだった。それよりも先に嬉野たちに解いてもらうんだった。宮古に弱みを握られて、校内統一の夢は今ここで砕けちまったのか?
律動に合わせて俺の自身を擦り追い詰めながら大魔王がまるで心中を読んだように…顔面に浮かべられた冷笑とは裏腹に熱っぽい声音で吐き捨てた。
「お前は、俺には適わねえよ、絶対な」
「っう、…覚えてろよッこんっの悪魔ァっ!」
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