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体育館裏の事件。俊哉side
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俺にもはっきりと聞こえた告白。
声の主の女の子は、黒髪ロング。
俺の足は無意識に体育館裏に向いた。
壁にそっと背を預ける。
そこまでして気づいた。
何してんの俺。
他人の情事に興味ないのに。
盗み聞きとか。
けれど…
「ごめんね」
聞き慣れた声がしてまた肩が跳ねた。
やっぱり三國くんだ。
いつもより真剣に聞こえる声。
壁から少し覗いてしまう。
女の子はしゃがみ込み泣いている、ように見えた。
「…俺なんかよりいい人見つけなよ。」
三國くんもしゃがみ込んで、声を掛けた。
そのとき。
「んっ…?!」
……何てことだ。
俺はその光景に、息をすることさえ忘れていた。
女の子が、黒髪ロングの可愛い清楚系な女の子が、しゃがみ込んだ三國くんに、
キス、をした…。
「…ごめんなさい」
唇を離して彼女が言った。
そのまま、俺がいる方とは逆に走り去って行ってしまう。
ありえない。
自己満足のために、泣いている演技をしたのか?
三國くん背が高すぎるから、しゃがませるために…?
三國くんはというと、その場に立ちすくんで彼女が走り去って行った方向を見つめていた。
三國くんは今、どんな気持ちなんだろう?
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