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救急車。俊哉side
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「名前は?年齢は言える?」
「鈴木俊哉…15歳です…」
救急隊の人が、意識確認のために質問をしてきた。
俺は、無傷だった。
かすり傷ひとつなかった。
時速40kmくらいで突っ込んできた黒い車。
これでも速度が落ちていたらしい。
運転手はまだ20代の若い男の人で、就職したばかりの職場に慣れず、疲れが溜まったことから居眠りをしてしまったといつことだ。
歩道に乗り上げ、俺と三國くんを轢いた。
正しくは三國くんを轢いた、だけど。
先に気づいた三國くんが、俺を抱きしめるように守っていた、と事故を見た人が言っていた。
すこしの間意識を失っていただけで、俺は本当に何もなかった。
俺が気づいたとき、三國くんはあちこちから血を流していて、意識はなかった。
見ていた人がすぐに救急車を呼んでくれて、病院に向かっている。
どうしよう。
俺のせいで、三國くんが。
ぎゅっと拳を握った。
「…大丈夫だよ、呼吸も脈拍も正常だ。きっと脚が折れているけど、命は大丈夫。」
救急隊の人が言ってくれて、少し安心した。
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