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会いたいよ
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あれから、久々に二人でキッチンに立って、昼メシ作って。
メシ食ったら、親が帰ってくるまで、ひたすらゲームして遊んだ。
すげー楽しかった。
「兄ちゃん、お風呂ー」
「おー、サンキュ」
夕飯のあと。
部屋で携帯いじってたら、風呂上がりの楓が部屋に入ってきた。
なんかちょっと嬉しそうだ。
「…どうしたの」
「あのね、さっきのマフラー父さんと母さんに見せたらね、似合うって」
「あー、やっぱり?さすが俺」
「ん?」
「いや、ツッコんで?けっこう恥ずかしいから」
「なんでやねん!」
「うん、雑だよね…」
「なんでー!?ちゃんとツッコんであげたのに!」
「はいはい、ありがとう。風呂入ってくる」
「むー…」
むくれる楓を部屋に帰して、とっとと風呂に向かう。
ちなみに、むくれてる顔もやっぱり可愛かった。
(…真山は、こういう気持ちも知らないんだよな…)
シャワーを浴びながら、ふと。
真山のことを考える。
俺と楓の関係を知ったら、羨ましいって思うのかな。
俺の周りに一人っ子の人ってあんまりいないから、そんなこと考えたこともなかったけど。
兄弟がいないって、本当に寂しそうだ。
(…できるだけそばにいてあげたいな)
真山は、いろいろなことを全部一人でこなしちゃうイメージだけど…周りに頼るのも大事だ。
俺を甘やかしてくれることのほうが多いけど、俺だってたまには甘えてほしいし、もっと頼りにしてほしい。
昼間、「寂しい」って素直に言ってくれたの、すげー嬉しかった。
(…いま、何してるかな)
今日もお父さんとお母さんはいなくて、家で一人なのかな。
メシ食ってるか勉強してるか本読んでるか…俺と一緒で風呂入ってるか。
寂しい思いしてないかな。
「…真山…」
そっと名前を呼んでみる。
真山の家のよりもちょっと狭い浴室に、小さな声が響いた。
俺の名前を呼んでくれる、真山の声を想像して、心臓が勝手に速くなる。
なんとなく、自分の唇に触れてみる。
(今日だけで、いっぱいちゅーしちゃったなぁ…)
まだ付き合い始めたばっかりなのにいいのかな。
それとも、高校生ってみんなこんなもんか?
(…俺がウブなだけだったりして)
いや、でも俺は中学のとき彼女いたことあるから。
恋愛経験だけなら俺のほうが上のはず。
昨日の話を聞く限り、真山は恋愛とかしたことなさそうだったのに、俺よりよっぽど余裕で…あれ、おかしいな……
(…あー…なんか声聞きたくなってきちゃった、やばい…)
だんだん顔が熱くなってく。
会いたいよ、真山。
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