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パーティー開始
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「藤川も真山もおめでとー!」
「おめでとー!」
パンッ、とクラッカーが鳴らされる。
わざわざ駅前まで行って買ってきてくれたらしい。
林はクラッカーなんて鳴らさずに、机の上にお菓子を並べる係。
「おぅ…ありがとう…」
「ありがとう」
真山は嬉しそうにお礼を言ってるけど、俺はさっきから気が気じゃない。
パーティーって何するの?
宮部と森下のときは、こんなことしなかったのに。
(不安だ……)
特に林とか林とか林とか。
何をされるかわかったもんじゃない。
まさか、顔面シュークリームとかやらないよな…?
(…いや、それはないな。JKじゃあるまいし)
ていうか、そもそもJKがあれやるのは誰かの誕生日だし。
それはないよ、うん。
食べ物を粗末にしちゃいけないしね。
(……じゃあ何やるんだよ………)
俺の不安がピークに達したその瞬間、こつん、と額に何か当たった。
見ると、小さなチョコレート。
「せっかく人が祝ってやってんのに、ぼーっとしてんじゃねぇよ」
俺の向かいに座っていた林が、また毒を吐く。
俺にチョコを投げたのもこいつだろう。
適当に謝ったけど、本当はそれどころじゃなかった。
(…チョコレート…)
なんで今日はこんなにチョコレートに縁があるのか。
さっき真山にされたことを思い出してしまって、一人で赤くなる。
「おいしそう…」
「真山って、甘いもの好きだよな」
「可愛いなー」
お菓子に心を奪われてる真山に、みんな心を奪われてる。
真山は俺と違って、チョコを見てもやっぱりいつも通りで、本当にずるいと思う。
俺にもそのメンタル分けてほしい。
「火薬くさいんだけど」
いつにも増して女王様みたいな林を、まぁまぁと中田がなだめる。
宮部は慌ててクラッカーを片付けてるし、森下は換気のために窓を開けに行った。
なんか…俺の知ってるパーティーと違う。
「はい、これで全部」
「わーい!」
いつの間にか机の上には、コンビニケーキやらポテチやら唐揚げやら、チョコ以外にも色々なものが並べられていた。
で、一番喜んでるのが成宮ってどうなの。
「食おうぜー」
「腹へったー」
「おめでとう二人ともー」
「おめでとー♡」
(あれ?でもなんか…)
「ありがとう」
「あ、ありがとう…」
思ってたよりパーティーっぽい。
あんな心配する必要なかったみたいだ。
ちょっと疑って申し訳なかったな…
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