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ピンチかもしれない
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「……真山……?」
誘うような、甘ったるいような視線に、どうしていいのかわからなくなる。
腰にそっと手が回されて、さらに密着する体。
触れられてる所にだけ、意識が集中してしまう。
「…鼻声で可愛い」
耳元で声が響く。
くすぐったさに、ぴくっと体が跳ねる。
そう言えば、今日クラスのヤツにも同じようなこと言われたなぁ、と、頭は現実逃避を始めた。
「…待って、真山……」
体を押し返そうとしても、上手く力が入らない。
ただでさえ熱でぼーっとする頭に、これ以上抵抗できる術は浮かばない。
逃げようにも、後ろには壁。
そして、このまま体を横に逃せば、確実に押し倒される。
(……ピンチかもしれない)
体が熱い。
熱のせい、だと思いたい。
自分は今、何をされてるのかとか、真山はどうしちゃったのかとか。
くらくらする頭を必死に回転させたけど、もう何も考えられない。
ただ、鼓動だけが速くなっていく。
「……藤川」
「…っ……」
頭をそっと抱き寄せられる。
背中に添えられていた手が、首筋を辿る。
チャリ、と小さく、金属のぶつかる音がした。
「…寝るときはアクセサリーは外さなきゃだめだよ。危ないから」
……へ?
アクセサリー…??
「…なに……?」
訳がわからない。
でも、真山の手にはいつの間にか、俺のネックレスが握られていた。
「ピアスも指輪もだめ。寝る前にちゃんと外して」
「…はぁ…!?」
何それ。
何考えてんのこいつ。
「そんなこと言うためだけに…!?」
「俺は、いいこと教えてあげるって言っただけ。勝手に勘違いして期待したのはそっちだろ?」
「なっ……」
いいことってそういう?
生活の知恵的な?
ワンポイントアドバイス的な?
「っていうか期待なんてしてねぇよ!」
ムカつく。
どこまで人をバカにすれば気が済むんだこいつは。
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