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ドライヤー
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真山の部屋。
言われた通り、ブランケットにくるまって真山を待った。
「……真山……」
小さく名前を呼んでみる。
何故か恥ずかしくなって、誰かに見られてるわけでもないのに、すぐに後悔した。
今日、真山と会ってからのことを、ぼーっと思い出す。
(……何やってんだろ、俺)
一人で真山のこと意識して、勝手にドキドキして焦って……バカみたいだ。
何気なく部屋を見渡すと、時計が目に入る。
もうすぐ日付が変わる。
今日が終わってく。
「……藤川?」
「っ!?」
いつの間にか、真山が部屋に戻ってきていた。
突然耳元で話しかけられたせいで、驚きすぎて声が出ない。
「……心臓止まるかと思った……」
「ごめん。でも、部屋に入ってから何回か声かけてたんだぞ?」
「あー、悪りぃ…全然気づかなかった」
「考え事?」
「……まぁ、ちょっと」
「ごめん。邪魔した?」
「いや、大丈夫」
なんですぐ耳の辺りに何かしてくるんだろう、と考えていると、ふわふわと髪を触られた。
「なに?」
「ドライヤーが洗面所にあったんだけど、言ってなかったから…ごめんな」
「あ、うん……え、なんでドライヤー持ってんの?」
「乾かしてあげようと思って。まだちょっと濡れてるから」
「え?いや、髪くらい自分で乾かせるから…」
「いいから。後ろ向いて?」
「………」
こうなったらもう何を言っても無駄だ。
昼間にそれは学習した。
大人しく後ろを向く。
たぶん赤くなってる顔を見られなくて済むことに、ちょっとだけ安心する。
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