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葛藤
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「…ん……?」
「あ………」
真山が、そっと目を開けた。
眠そうに、ぼーっと俺を見る。
「…ご、ごめん真山!これには訳が……」
「…んー……」
目を擦って、もう一度俺を見る真山。
小さくあくびをしてから、どうしたの、と俺に尋ねた。
「…ちょっと、ベッドに戻ろうとして躓いて…別に深い意味はないからな?」
「うん……」
まだ眠いのか、上の空で返事をする。
とろんとした目で俺を見上げる真山に、体が一気に熱くなるのがわかる。
「…っ…いま退くから!」
妙な感情を振り払うように、慌てて言った。
必要以上にでかい声に、真山がちょっと驚く。
「……ごめん」
「…ううん」
体を踏まないように注意しながら、ゆっくり真山の上から降りた。
体を起こしてメガネをかけると、ぽんぽんと俺の頭を撫でる。
「あれからずっと起きてるのか?」
「いや、2時間くらい寝たんだけど起きちゃって……」
「そうか。さっきいっぱい寝たもんな」
いつも通り、くすくす笑う真山。
さっきの俺の行動は、何とも思われてないみたいだった。
ほっとする反面、複雑な気分になる。
俺は、あんなにいっぱいいっぱいだったのに。
「なにか、温かいものでも飲もうか」
そう言って立ち上がる真山。
ベッドからブランケットを引っ張り出して、俺の肩にかける。
「おいで」
微笑んで、俺に手を差し出した。
このまま手を繋ぐんだとわかった瞬間、抑えてた感情が溢れ出した。
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