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やっぱりお金持ちな真山くん
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「…藤川」
「ん?」
「紅茶飲んでみて」
「…?うん……」
先に紅茶を飲んだ真山。
勧められるまま、こくん、と一口紅茶を飲む。
「どう?」
「…ぬるい……」
一足遅かったらしく、紅茶は微妙な温度になっていた。
ぷっと吹き出す真山。
つられて俺まで笑ってしまう。
「淹れ直す?」
「!?いいよ、そこまでしなくて!」
たまに、こうやってセレブ発言してくるからびっくりする。
紅茶って、冷めたら淹れ直すようなもんじゃないよな…?
冷めるたびに捨てるなんてもったいないこと、普通の家庭ではしないよな…?
(やっぱ金持ちなのか……)
だったら、さっきエアコンの温度上げれば済む話だったよな…俺、やっぱり光熱費とか気にしなくてもよかったよな……
(…わざわざ俺に抱きつかなくてもよかったじゃん)
紅茶をすすりながら、ちらりと真山を見る。
カップに手をつけていないことに気づいて、嫌な予感がした。
「…真山、紅茶飲まないのか…?」
これで「冷めた紅茶はまずいから飲まない」とか言われたら引く。
今さらだけど、かなり価値観が違ってたりしたらどうしよう、と、ちょっとどきどきしながら尋ねる。
「いや、そういうわけじゃないよ。冷蔵庫にケーキがあったなぁと思って…食べる?」
「え…ケーキ?」
「うん。昨日、親が買ってきた」
紅茶は関係なかったようで、ちょっと安心する。
あと、昨日は家の人が帰ったみたいで、それにも安心する。
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