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再会?
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(あれって…雅…!?)
この間、真山の家から帰るときに会ったあいつだ。
駅を出て、俺たちが通って来た道を歩いていく。
「…ごめん、突然。大丈夫だった?」
「う、うん……」
よかった、気付かれずに済んだみたいだ。
ぽんぽんと頭を撫でられて、大きく息をついた。
安心したけど、でも……
「なぁ、隠れちゃってよかったのか…?」
確かに、俺はあいつのことあんまり好きじゃないけど。
真山は幼馴染みなんだし、ちょっと話とかしたかったんじゃないかな…。
「気にしなくていいよ。また何か言われたら嫌でしょ?」
「…うん…」
(…心配してくれたのかな)
また心臓が速くなって、慌てて離れた。
真山が、不思議そうに俺を見る。
「…ありがとう、真山」
「ううん」
優しく笑う真山に、きゅぅっと胸が苦しくなる。
どこまで気をつかってくれるんだろう、と思うと申し訳なくなるけど、こんなに想ってもらえてるなんて幸せだなぁ、とぼんやり考えた。
「気をつけて帰るんだよ?」
「あ、うん。送ってくれてありがとう…」
どきどきしながらお礼を言う。
寂しいけど帰らなきゃ。
「ふふ、どういたしまして」
「うん…じゃあな」
「うん。また明日ね」
ばいばい、と手を振って、真山と別れた。
日に日に寒くなってく夜。
けど、心臓はまだうるさくて、体が冷えるのには、まだもう少し時間がかかりそうだった。
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