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電車に乗って
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今日あったことを、頭の中で整理する。
真山のお母さんが全部かっさらっていった気がするけど、ちょっとずつ思い出して。
(あー…そういえば……)
そばにいてくれるだけで嬉しいよ、とかいうくっそ恥ずかしいセリフを、お互いに伝え合ったんだった。
思い出してしまったことを、すぐに後悔する。
(明日すげー気まずいじゃん、どうすんだよ…)
あぁ、でも…まるで告白みたいなセリフだと思ってるのは俺だけなのかもしれない。
真山にとって、俺は弟みたいなものなんだし……
(いや、まぁ兄弟だとしてもそのセリフはおかしいけど)
例のごとく、真山はそんなこと気にしてないんだろう。
俺が一人で意識してるだけ。
いい加減、バカらしくなってくる。
(でも、だからといって意識しないなんて無理だもんな……)
やっぱり、真山の前ではどきどきし続けるしかないのかな。
すげー負けた気がするけど。
(…きれい……)
ふと窓の外の景色を眺めると、暗い街に、いくつも灯りがついていた。
この時間帯に家に帰ることってあんまりないから、なんか新鮮だ。
(…真山、もう家ついたかな)
帰り道は寒くなかったかな。
今頃は、お母さんとまた楽しく話してるのかな。
(…俺、気付くと真山のことばっかり考えてるなぁ)
これは本格的にやばいんじゃないか、と思ったけど、好きになるってこういうことなのかもしれない、とかいろいろ考えてしまって、めんどくさくなって思考を投げ出した。
電車が駅に停まる。
(…いっか。とりあえず、明日も会えるんだし)
今は難しい話は抜きにして。
好きなだけ、真山を好きでいていいかな。
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