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紅茶とコーヒー
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「…………」
「…………」
待って、くっっそつまんないんだけど。
え?なんなの、この時間。
帰りたいマジで。
「…なぁ」
「あ?」
「何もしないなら帰っていい?」
「は?」
「え?」
「お前、これが何もしてないように見えんの?」
「見える」
「…ふーん」
……え?終わり?
いやいやいやいや、意味がわからない。
こいつ、会話すらまともにできないのか?
(…嫌いだわー…)
話すだけで、すげー疲れるんだけど。
真山より変わってるし、成宮よりめんどくさい。
なんなんだこいつ。
「…お前、飲むの遅くね?」
「…お前に会うちょっと前までカフェにいたんだよ」
「ふーん…」
「…………」
やばい、めっちゃイライラする。
俺、こいつとすげー相性悪いな…。
(……雅は、こんなことしてて楽しいのかな)
ヒマだから付き合ってって言われたけど、こうしてる今だってすげーヒマな気がする。
こんな寒いとこで、二人でぼーっとしてるくらいなら、家に帰ってテレビでも観たほうがまだマシだろう。
(…帰りたい……)
楓が待ってるだろうなと思うと、一秒でも早く帰りたい。
早くマフラー渡して、喜ぶ顔が見たい。
「……なぁ、お前さ」
「あ、うん。なに?」
雅に話しかけられて、現実に引き戻される。
コーヒーと紅茶の匂いが混じって、どっちつかずの微妙な匂いがする。
「舜の、何なの?」
「は?」
真山の?と考えて、すげー大事なことを思い出す。
そうだった、すっかり忘れてたけど…こいつも真山のこと好きなのかもしれないんだ。
「…何って…友達だけど」
雅と初めて会ったとき、真山と一緒に歩いてるのを見て、朝帰りとか何とか言われたのを覚えてる。
思えば、初対面のときからずっと、こいつのことは嫌いだった。
「…ふーん」
「…なんだよ」
「俺には、それ以上の関係に見えるんだけど」
「はぁ…!?」
なに言ってんのこいつ。
もしかして、この間のヘンな噂とか聞いたのか…?
「そんなわけないだろ…」
「本当に?」
「本当だって。信じられないなら、真山に聞けば?」
「……お前、何も知らないんだな」
「え?」
意味深な台詞に、思わず聞き返した。
心臓が速くなる。
緊張で喉が乾いて、紅茶を飲み干した。
だって、知らないって何を?
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