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ご褒美
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(…どうしよう……)
さっき、ようやく落ち着いてきたと思ったのに…今ドキドキしすぎたせいか、また眠れなくなってしまった。
話してるだけで、どんどん真山のこと好きになってくし、心臓は速くなる一方だ。
「ねぇ、藤川」
「ん?なに?」
「さっき、ご褒美あげるって言ったの覚えてる?」
「ご褒美?」
なんだっけ、と記憶を手繰り寄せる。
んーと……
(あ。告白されたときのことかな)
確か、藤川は俺のこと好き?って聞かれて…ちゃんと自分の口で言えたらご褒美あげる、みたいなことを言われた気がする。
「覚えてるよ」
「何がいい?」
「えーっと…」
そんなこと急に言われても思いつかない。
んー……なでなでとか?
でも、それは普段からしてもらえるし…
現に今だってしてくれてるし…
(うーん……ちゅーとか?)
いや、それはさすがに恥ずかしすぎるからなしで。
それに、そういうことは、もうちょっとこう…雰囲気のあるときにするほうが……
(…女子みたいなこと考えてる…)
もうやだ自分、と思いながら、ぼんやりと思考を巡らせるけど、いざとなるとなかなか思いつかない。
だいたい、ご褒美ってなんだよ。
小学生がテストで100点とったらゲーム買ってもらうみたいな、そういうやつ?
(また子ども扱いか…)
もう慣れたから全然気にしてない、と自分に言い聞かせて、もう少し考えてみる。
メシ奢ってもらうとか、そういうのでもいいのかな。
あんまり可愛げないけど…
「…藤川?」
「ん?」
「ごめん、ないなら無理に考えなくてもいいよ」
くすくす笑いながら、頬を撫でる真山。
なんとなく触れたくなって、真山の手の上に手の平を重ねて、もうちょっと考える。
「んー……」
「無理じゃないってば」
「真山、何かないの」
なんかもうルールとか崩壊してる気がするけど、その証拠に真山に笑われてるけど、ここまで来たら何かお願いしたい。
けど思いつかない。
「そんなに難しく考えなくてもいいんじゃないかな」
「例えば?」
「んー…明日の朝食は俺が食べさせてあげる、とか?」
「それ、真山しか得しないやつじゃん…」
「あ、バレた?」
「バレるわ!」
明日は雅に会わなきゃいけないから、ただでさえ緊張してるのに、これ以上からかおうなんて…その手には乗らないぞ。
(あー、でもそっか、朝食…)
別に、今すぐしてもらわなきゃいけないってわけじゃないんだよね。
そう考えると、もうちょっと選択肢が広がる。
(例えば……)
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