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考え事
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(…よし、完璧。たぶん)
雅がいつ来るかわからないから、早めに準備することになって。
服を着替えて、洗面所で身だしなみ(主に首筋のあれ)の確認を終える。
(ちょっと動くと見えちゃうかもしれないけど…)
どんなに隠そうが、雅に上から見下ろされたら、バレちゃうかもしれないわけで。
身長差なんて、もう今さらどうにもならないから、気にしないことにした。
「真山ー」
「なに?」
リビングに戻って、真山の隣に座る。
なんか落ち着かない俺とは反対に、まったりお茶を飲んでいた。
「雅、本当に来てくれるかな」
「なんで?」
「だって、俺もいるって知ったら…なんか気まずいし、来てくれないんじゃないかなって」
「藤川がいること言ってないよ」
「はぁ…!?」
意味がわからない。
ちゃんと言ってくれてあるものだとばっかり思ってたのに……
「だって、いるって言ったらなんでいるの?って聞かれるの目に見えてるから…いちいち文章打って説明するの面倒だし、それで済んだらそもそも会う必要ないし」
「あぁ…そうだね…」
おっしゃる通りですよ。
でも、なんか…うん……
「…じゃあもしかして、俺と付き合ってることも…」
「言ってない」
「あぁ……」
体から力が抜けてく。
何も言い返せないし、幼馴染みの真山がそう言うんだから、きっとそれで間違ってないんだろうけど…。
(…やっぱり、なんか…根本的に考え方が違うのかなぁ…)
両想いでも、理系の真山と文系の俺じゃ、分かり合えないこととかあるのかな。
この先、ちょっとした価値観の違いとかで、喧嘩しちゃったりするのかな。
「…どうしたの、藤川」
よく考えたら、性格とか得意なこととか、正反対っていうかバラバラだ。
またマイナス思考になってる。
止めなきゃ、と頭の中でぼんやり考えた。
「また考え事?」
真山に抱きしめられて、慌てて考えるのをやめる。
心配してくれてるのが申し訳なくなって、首筋に顔をうずめた。
「ごめん。何でもない」
笑って言うと、そっと体が離れて。
俺を正面から見つめて、そのまま指を絡める真山。
手を繋ぐのは久しぶりな気がして、なんかドキドキする、と思っていたら、耳元に唇が寄せられた。
「…好きだよ、藤川」
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