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勘違い
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「さっきはごめんね。怪我しなかった?」
「え?あぁ、うん…」
たぶん、押し倒されたときのことだ。
相変わらず唐突というか、話に脈絡がない。
ゆっくりと覆い被さってくる真山。
俺の体の下に手を入れて、ぎゅっと抱きしめられた。
突然ぴったりと密着した体に、心拍数が跳ね上がる。
「まっ…真山…?」
「ぎゅってして」
「……!?」
「早く」
耳元で囁かれる声に、緊張はピークに達する。
真山がそんなこと言うなんて…でもちょっと甘えんぼな真山も可愛い、とかぐるぐる考えながら、細い体をぎゅっと抱きしめる。
「ちゃんと掴まっててね」
「え?」
体が浮き上がるような感覚がして、わけがわからなくなる。
言われた通りしがみついていると、ゆっくりと体を起こされた。
そのまま、優しく抱きしめてくれる。
「え……?」
「え?」
「なに?」
「なにって…体起こしてあげたんだよ」
(……あぁ……)
俺、確か風邪ひいて看病してもらったときも、同じことされた気がする。
あのときと同じシチュエーションだったのに、なんで同じ勘違いしたんだろう。
バカみたいだ。
(学習しろよ、俺…)
「ねぇ、焦った?」
「え?」
「俺に押し倒されたとき」
いたずらっぽく笑って、またぺたぺたと腹に触れてくる真山。
さっき吸われて赤くなった場所を、くるくると指先でなぞる。
「焦ったよ…っていうか触んな」
「俺は、最初から痕だけつけて終わるつもりだったんだよ?」
「え…嘘だよな?」
「嘘じゃないよ」
「でも、あのとき…」
『ちゃんといいこにしてたら痛くないから大丈夫だよ』
(…………)
「紛らわしいんだよ、ばか!」
ぜってーわざとだ、こいつ。
あんな言い方されたら、誰だって勘違いするに決まってるだろ!
「勝手に勘違いしたのは藤川のほうだろ?」
「うるせぇよ…」
くすくす笑ってる真山に、呆れて何も言えなくなる。
もう完全に遊ばれてる。
「…じゃあ、本当に…そのためだけに押し倒したの?」
「そうだよ。他のこと期待した?」
「……ばか」
すげー恥ずかしい、もうきらい。
うそ、きらいは言いすぎた。
でもきらい。
「ふふ、ごめんね意地悪して」
優しく抱きしめて、頭を撫でてくれる真山。
恥ずかしくて目を合わせられない。
「…でも真山、ちゅーとかしてきたじゃん…」
「あれは可愛すぎる藤川のせい」
「えぇー…」
理不尽だ、そんなの。
俺、ぜってー悪くないじゃん……
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