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ばか(っぷる)
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「…さっき、お仕置きしたのはね」
「ん?」
「藤川が心配だったんだ」
突然、俺をぎゅっと抱きしめて。
真山が、耳元で話し始める。
「雅も言ってたけど…藤川は優しすぎ。つけ込まれて、また何かされてからじゃ遅いんだよ?」
本当に心配そうに話す真山。
とりあえず安心してほしくて、そっと背中に腕を回す。
「…あの、真山」
「なに?」
「雅は真山の幼馴染みだろ?」
「うん」
「だからきっと、根は悪いヤツじゃないと思うし…真山の大切な人は、俺の大切な人だよ」
「……バカじゃないの」
小さく呟いて、強く抱きしめられる。
心外だ。
すげー真面目に言ったのに、バカって言われるなんて……
「そういうところが心配だって言ってるんだよ」
「…バカじゃないもん」
「バカだよ」
「バカって言ったほうがバカなんだぞ」
「それ久々に聞いた」
「俺も久々に言った」
「ていうか、この話は広げなくていいんだよ」
「あぁうん、ごめん…」
思いのほか正確なツッコミを入れられて、ちょっと反省する。
でも今のは、先にバカって言った真山が悪いと思う。
「…とにかく、もう少し危機感持って。できるだけ、あいつには近付かないで」
耳元で言ったあと、軽く耳たぶを噛まれて。
そのまま、首筋の赤い痕に、そっと唇が触れる。
「藤川は俺のなんだから…俺から離れちゃだめだよ」
どくん、と心臓が跳ねる。
俺の体につけた痕は、真山のものって意味だったのかな。
そう考えると、顔が熱くなってくのがわかる。
ぎゅっと抱きついて、真山の首筋に顔をうずめた。
「…でも、何かあったら、ちゃんと真山が守ってくれるんでしょ?」
やばい恥ずかしい、しぬ。
何言ってんだ俺。
でも、昨日そう言ってくれたの覚えてるもん。
「…守るよ。でも、もしも守れなかったら、って…考えると怖いんだ」
だから本当は、俺から一秒も離れてほしくない。
そう言って、真山も俺の首筋に顔をうずめた。
心臓が爆発しそう。
「…わかった。できるだけ真山のそばにいるね」
頭がぼーっとする。
こんなに甘ったるい雰囲気になったのは久しぶりな気がする。
「…今度、あいつと必要以上に関わったら…次は、もっと恥ずかしいお仕置きしちゃうから」
「…やだ……」
「じゃあ、ちゃんといいこにして」
「うん…」
こくん、と頷くと、優しく頭を撫でてくれる。
顔を上げたら、微笑んでる真山と目が合って、目を閉じたらいっぱいちゅーしてくれた。
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