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照れさせる作戦
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照れてる俺を、真山が抱きしめてくれる。
余計に恥ずかしくなるんだけどな、と思いながらも、嬉しいから大人しくする。
「…もう、焼きもち治った?」
「うん、藤川のおかげで。ありがとう」
「どういたしまして…」
真山のためなら、自分はどんなに恥ずかしくても我慢する。
すげー健気な恋人じゃねぇか、とか自分で考えながら、真山にリンゴをあーんして食べさせてもらう。
もうツッコむのにも抵抗するのにも疲れたから、何も言わないことにした。
「おいしい?」
「うん…真山は食べないの?」
「食べさせてくれるの?」
「え……」
その発想はなかった。
俺が真山に、あーん……
「…食べさせてほしい?」
「うん」
「おぅ…」
じゃあ食べさせてあげよう。
それで、いつも俺がどんなに恥ずかしい思いをしてるのか、真山も思い知ればいいんだ。
「…あーん」
「あーん」
自分もあーんって言いながら、ぱくっとリンゴを食べる真山。
なんか可愛い。
「おいしい?」
「おいしい」
「…恥ずかしくないの?」
「恥ずかしくないよ」
「…………」
なんで恥ずかしくないの。
俺がおかしいのか?
いや、普通はちょっと恥ずかしいよな…?
「…真山へんなの」
「なんでだよ」
「だって、普通もうちょっと照れるとか…そういうのないの」
「そんなこと言われても…」
「照れろよ」
「理不尽だよね?」
「照れろよ」
「んー……」
この会話なんなんだろう、と思いながらも、照れる真山が見たいから押し切る。
真山だけいつも余裕なんてずるい、俺だって恥ずかしがってる真山見たい。
「…藤川からキスしてもらったら照れるかも」
「え……」
いたずらっぽく笑ってる真山。
もうすでに余裕じゃねぇか、くそ。
「…やってやるよ」
「え…本当に?」
「お前が言ったんだろ」
真山の方に向き直って、正面から見つめる。
もう恥ずかしい、やばい。
顔が熱くなってくけど、目は逸らさないまま、少しずつ顔を近付けた。
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