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キスとメガネ
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真山は、微笑んで俺を見つめている。
キス顔見る気満々だよ、こいつ。
「っ…目閉じろよ、バカ」
「えー…閉じなきゃだめ?」
「だめ」
至近距離で話すと、息がかかってくすぐったい。
真山が、そっと目を閉じた。
(……まつげ長い……)
どんどん心臓が加速して、頭の中が真っ白になる。
キスってどうやってするんだっけ。
恥ずかしすぎて、半分ヤケになって、ぐっと唇を近付ける。
「いっ…!」
唇が触れ合う前に、こつん、とメガネにぶつかってしまった。
はっと我に返って、慌てて目を開ける。
「ごっ、ごめん真山!痛かった…?」
「いや、大丈夫だけど…」
嘘だ、今の絶対痛かった。
あの、メガネの鼻の…あそことか、絶対痛かったはず。
「藤川は大丈夫?」
「俺は大丈夫…ごめんな」
「意外と不器用だね、藤川」
くすくす笑いながら、からかってくる真山。
キスすらまともにできない自分が、恥ずかしくて情けなくて、真山に痛い思いさせちゃったのが申し訳なくて。
思わず泣きそうになる。
「ごめんね、気がつかなくて」
カチャッとメガネを外してから、そっと俺の頬を撫でる。
こつん、と額がぶつかった。
「…もう一回して?」
微笑んで、小さく囁く声。
メガネがない分、いつもより距離が近く感じる。
「…ん……」
顔がすげー熱い。
そのまま、ほんの少しだけ顔を近付けると、唇が触れ合った。
「……はぁ……」
ゆっくり離して、ぼんやりと真山を見つめる。
優しく抱きしめられて、俺も背中に腕を回す。
「…もう一回」
「へ……?」
「して?」
熱っぽく囁かれて、恥ずかしくて泣きそうになる。
何も考えられなくなって、目を閉じて。
もう一度、そっとキスをした。
「…ん……」
頭の後ろに手を添えられて、離れられなくなってしまう。
角度を変えて、何度も唇を啄まれる。
「ふ、ぁ…」
気持ちよくて、ぴくっと体が震える。
力が抜けて、くらくらし始めた頃、ようやく唇を離してくれた。
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