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言えない言いたい
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「零!何があった!今、ほどいてやる!!」
「んっふっ……はぁはぁ…んっ。」
「零?」
僕の様子がおかしいことにやっと気がついた黒咲さんは僕のそばへ来て僕の耳元で小さく聞いてきた。
「何があった?零。」
その声が優しくてまた涙が溢れた。
そして、敏感な体は反応してしまう。
「んっ…っはっ!!」
黒咲さんは口のタオルをとってくれた。
「く…ろ…さ、きさ……。」
「零!」
いつもみたいに抱きしめて。
いつもみたいに言って。
いつもみたいに僕をなだめて。
いつもみたいに僕を…助けてください。
黒咲さんは僕をギュッと抱きしめてくれた。あの日はじめて会ったあの日のように優しく。
「黒咲さんっ…はぁはぁ…あっ。」
黒咲さんは僕の上に乗っかってきた。
涙を拭うためなのか僕の足の間に自分の足をひとつ入れて、僕に多いかぶさるように乗る。
そして、その優しい大きな手で僕の涙をそっと拭ってくれる。
「零。」
「んっ…。」
》心臓うるさい。気づかれちゃう…。
短い言葉なのに、それを言ってしまったらもう戻れない気がして言えない。
「零。何があった?」
何度も優しい声でそう聞いてくる。
「んっ…んん……はぁはぁ……あっ!!」
急に自分でも驚くくらい高い声が出て目を見開く。黒咲さんも同じようだった。
黒咲さんの足がちょうど僕の息子に当たった。
「あっ…。」
それだけなのに僕の体は言う事を聞かなくて。
「零?なんで……こんな。」
》見られてしまった。
「ちっ…違うんです!僕じゃない…薬がっ。」
僕は必死に話した。
うまく話せないけど、伝わるかわからないけど、とにかく話した。
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