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避けられる
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「れーくん…最近叶翔くん変だよ。」
「…うん。」
僕には理由がわからない。
あの日。
1週間前のあの日。
何かあったのは事実なんだ。
なのに何も覚えていない。思い出せない。
ーー1週間前ーー
「ひっ!」
黒咲さんは裸のまま体をビクッとさせて暗い瞳で僕を見ている。
「あの。黒咲さん……だ、大丈夫ですか?」
黒咲さんの恐怖に満ちた目が、ぐちゃぐちゃになったこの床が何かあったと告げている。
「ぁ……今日は…帰る。」
「え…あの……そのままでは風邪が酷く……っ……これ、この毛布巻いてください…。」
「……っ。」
黒咲さんは毛布を静かに受け取るとそのままそこから走り去って行った。
「…あ……黒咲さ………っ。」
止めることさえできなかった。
次の日
黒咲さんは体中に痣をつくって学校へ来た。
マスクをしていたし顔も赤かった。まだ熱があるのだろう。
「あの…黒咲さ……。」
黒咲さんは僕の方を見向きもせず通り過ぎて行った。
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何かあったのは事実なんだ。
そう。
でも、わからない。
何度考えてもわからない。
「れーくん?」
はるが心配そうに僕の顔をのぞき込む。
僕は大丈夫と苦し紛れに言うが全く大丈夫ではなかった。
避けられる事が僕にとってすごく苦痛だった。
大好きな人だからこそ。
避けられるなんて嫌だった。
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