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生徒会執行部 1
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「くぁあ〜....暇な授業だ」
「わ、若葉...」
堂々と欠伸をする俺の横で、天使(稜)が俺を見つめている。
その可愛いお目々で、阿久津くんを虜にしたのかい?
なんて、あほな事考える程に暇である。
「ええ、だから妖怪と人間の間には沢山の...」
先生の話は、右から左へとすっぽ抜けていく。
今は【妖怪と人間の歴史】
とかいう授業だが、
正直人間目線で見ると何言ってるのかわからん。
「なあ、稜。結局は、人間と妖怪は仲が悪いって事なんだろ?」
「う、うん....直訳するとそうなっちゃうね...現に人間に悪さをする妖怪もいれば、妖怪を嫌う人間もいるし....」
「...だよなあ」
妖怪の立場も何と無くわかるし、人間の立場もわかる俺からしたら、虚しいもんだなあ
「仲良くって出来ないのかな〜」
「ううん...出来なくはないけど、難しいかもね。でも、人間の社会に紛れて暮らす妖怪がごまんと居るんだ。人間に化けて暮らしている奴らが大抵だし、そう考えたら、案外簡単な事かも知れないね」
そうか....
確かに、俺も人間に化けて暮らしていた側だし
それに友達だってちゃんといたしな
「わかんないな〜。俺には難しいや」
そう言って目を瞑ると、稜が笑った。
「若葉は、優しいね」
優しくなんかねえよ。
そう、心の中で返事をして、俺は眠りについた。
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