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イタズラなおれ
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「あーうまかった」
「明日は行かないからな?」
「なんでわかった」
「おまえの考えてることなんて分かりやすすぎ」
腕まくりしたままだった建の袖を下ろしてボタンを止める。だって、建知らないかもしんないけど、あれは女子がかっこいいって感じるちょうどいい腕まくりなんだよ?そんなのずるいじゃん。いけめんのくせに、これ以上モテようなんて!
「あれ?どこいくん」
「家」
「遊ばなくていいの?」
「ん、だって」
建が乗り気じゃなかったから。おれだって建の思ってることくらいわかる。なーんて、ほんとはわかんないけどさ。ナンパ、あんま好きじゃないってのは知ってるよーん。
「あ、ケンケン」
「なに」
「彼女できないよ?」
「それはこっちのセリフ」
似たような格好してるけど、やっぱり建の方がモテるもんなー。ずるーい。
駅に着いてベンチに座って電車を待つ。ゆるく結んであった建のネクタイをキュッと締めて第一ボタンを留める。はい、真面目ケンケン完成。
「あははっいけめん!」
「だろうな」
これで七三とかだったら完璧なのに!建の小指をにぎにぎしながら首をかしげる。
「ねぇ、おれらってなに?友達?」
握ってた手が一瞬ぴくりと動いた。建を見るといつもの顔。右手で器用にネクタイをゆるめてる。
「俺は友達なんて思ったことない」
「じゃあなに」
「…下僕?」
「きゃーひどーい」
電車が来たから乗り込んで向こうのドア側に立つ。ガタンゴトン。ちゃんと建の袖に掴まる。こないだおっとっと、ってなっちゃったから。気を付けないと。
「けーん」
「なに」
「おれらケンカしたことないね」
改札出てすぐに大声でカップルがケンカしてた。それを横目で見ながら外出て、今はハンバーガー屋さんに向かってる。
「ないかもね」
「いいこと?」
「そうなんじゃない?」
「ふーん」
ありゃ。建てばまた背伸びた?気のせいかな。気のせいだといいな。
髪の毛ワサワサしてきたからどうしたのかなって建見たら、ふわって笑ってきたからおれも笑った。きっと電車の風で崩れたんだろーね。
「おれ、でっかいハンバーガー」
「じゃあこれ二つください」
財布取り出して、バッと中開けて建に見せる。建が必要な分だけ取って一緒に会計する。でもなかなか減らないんだよなー。建、ちゃんと取ってんの?
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