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多分…、俺 今 世界で一番幸せな自信がある。
俺の大好きな真琴の好きな人が俺って…
これ以上の幸せって何かあんの?
あったら教えて欲しい。
仕事で出世するとか、大金が儲かるとか?
そんなの真琴が居なけりゃ 俺には何の価値もねえ。
色んな欲をそぎ落とし 自分にとって一番大切な物をシンプルに考えれば分かる事だったんだ。
随分遠回りした気がする。真琴には辛い思いをさせてしまった。あんな仕打ちを受けてなお、俺を好きだ、俺がいい と言ってのける真琴は、俺なんかより よっぽど男気がある。
昔から一本芯が通った奴だったけど、本当、真琴には敵わねえ…。
なあ、こんな俺だけど お前の側に居てもいいか?
そんな想いを込めて 隣に座る愛しい人を覗き見れば 俺を見て驚いた顔をした。
「たっ、匠?!」
どうした?
「何で泣いてるのっ?口に合わなかった?」
泣く?誰が?と思った瞬間、頬にツーッと一筋涙が伝った。え…俺、泣いて…
「コーヒーで口直ししてっ!」
ブッ、真琴がトンチンカンな事を叫んでいる。
何この可愛い生き物は。
何で涙が溢れたのか俺にも分からねえけど、これは間違いなく嬉し涙。そしてこの涙をくれたのは真琴だ。
真琴が好き過ぎて涙が出たんだって そう言ってやればいいのに、肝心な所で おれの口は役目を果たさねえ。
真琴のプリンは 優しい味がした。
真琴の優しい味がした。
俺がどんなに真琴を甘やかしてるつもりでも、真琴はいつだって簡単に俺を飛び越える。
結局、甘やかされているのは 昔も今も俺の方だ。
プリンを一個ペロッと平らげて もう一度真琴をギュッと抱き締めた。
「本当に旨かった。本当に…。有り難う。真琴。」
「匠…。」
今度こそ真っ赤になった真琴に優しくそう答え、そっと口付けをした。
チュッ
啄むだけで終わらせようと思っていたのに… 真琴の大きな瞳にも水溜まりを見付け 理性が吹き飛んだ。
角度を変えながら何度も何度も口付ける。やがて息があがってきた真琴が少し口を開けた。その隙を逃さず舌を滑り込ませる。
舌を絡め合うと真琴からも ほろ苦いカラメルソースの味がして、プリンを二倍堪能する。
ソファーに真琴を横たえ、薄手のカーディガンをゆっくり脱がす。何年か前に俺がプレゼントしたカシミアのカーディガン。薄いグレーで 一見ヤボッたくなりがちなそれは 真琴が着ると途端に見栄えがするから不思議だ。
手入れして大切に着てくれているのが見て分かる。何年経っても くたびれないカーディガンを見て 俺も嬉しくなる。
そういや今まで照れて言えなかった。
ちゃんと「似合ってるよ。」って言ってやらなきゃな。真琴の長Tの裾を捲り上げながら ぼんやりそんな事を思った。
日焼けしていないキメ細やかな肌。真琴は色白なのを気にしているけど 地黒の俺に言わせりゃ"綺麗"の一言に尽きる。
もっと自信持ってもいいんだけどな…。
真琴は自己評価が低すぎる。
顔なんか小さすぎて 俺と並んだら遠近感がおかしくなるだろう。整った顔は決して女顔ではなく、普通にイケメンだ。平均を越える身長に小さな顔、大きな瞳、加えて性格もいいときたら まず女が放っておかねえだろう。いや…、男もヤベえ。
「真琴…。真琴…。」
何度も名前を囁きながら 真琴の肌に舌を這わせる。喉元まで捲ったTシャツの下から覗く小さくて可愛らしい乳首が二つ。左の乳首に標的を定め 舌先でチロチロと弄ぶ。次第に芯を持ち始めたそれは 段々淡いピンクから朱色に染まっていく。
可愛い…可愛い…俺の真琴…。赤ちゃんみたいにチューチュー吸ってやると 快感をやり過ごそうと真琴が背中を反った。俺は 真琴の背中とソファーの間に出来た隙間に左腕を回し 逃げられねえ様にホールドする。そのままチューチュー吸い上げながら もう片方の乳首を右手でピンッと弾いてから潰してやる。
「あっ…、あんっ…。」
どんどん息遣いが荒くなる真琴の唇を再び俺の口で蓋をし、クチュクチュとわざと水音を立てて逃げ回る舌を追い掛ける。やべえ…、止まらねえ…。
その時、
「あ…ん…、た くみ……たくみ…っ!!」
突然 真琴が大声をあげた。
途端に俺は我に返った。
ここまでだ
俺は理性に急ブレーキをかけた。
真琴は 涙を流し震えていた…
「ごめん真琴っ!嬉し過ぎて調子に乗った。大丈夫か?」
「匠…。ごめん、俺…。」
「馬鹿、謝んなって何回言わせるつもり?」
出来る限りの優しい声で 真琴に囁く。
「もう大丈夫だと思ったんだ。もう大丈夫だと…。匠…、好きなんだ、信じて?」
「大丈夫信じてる。真琴、愛してるよ。」
俺は真琴の体を抱き起こし フワッと抱き締めて包み込んだ。リズムをつけて背中をトントンと叩いてやりながら「大丈夫、大丈夫、怖くないよ。」と 呪文の様に繰り返す。暫くして ようやく落ち着いたのか、真琴の身体から力が抜けたのが分かった。
そう…、
真琴が受けた精神的ダメージは想像以上に深く、真琴の意思に関係無く 身体が勝手に俺を拒む。ヨリが戻った以降も 俺達は未だ一つになれてなかった。
真琴自身は俺との触れ合いを照れはするが嫌がったりはしねえ。寧ろ、いまだ繋がれない事を気にして くれてる。
風呂も、最初は体に触れただけで震え出した。顔には出さなかったが さすがに俺もショックだった。
本当は後ろからじゃなく、正面から抱き締めてえ。
でも俺よりもショックな顔をしている真琴の顔を見たら 責める事なんて出来なかった。きっと無意識の行動だったんだろう。
そしてその行動の原因を作ったのは 誰でもねえ、俺自信だ。
…さっきだって 多分途中から辛かったんだと思う。なのに俺は気付いてやれなかった…。
クソッ!何やってんだ俺は!
俺達はお互い自分を責めてる。
俺は自分を責めて当然だが、真琴は違う。
これ以上 必要以上に真琴に気負わす訳にいかない。
焦りは禁物だ。
俺は何年でも待つ覚悟は出来てる。
その事に揺るぎはねえ。何の嘘もねえ…。
…だけど…、俺の愚息も嘘は付けねえみたいだ。
「真琴…、ワリ、先風呂入ってて。」
そう言って 俺はトイレに駆け込んだ。
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