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「真琴…、ワリ、先風呂入ってて。」
暫く俺をあやす様にトントンしてくれた匠は そう言って俺から離れた。
あ… 、匠の体温が…
急に一人になって淋しかったけど 匠が離れた理由は分かってる。
匠の…、固くなってた。辛かっただろうな。申し訳なさを感じつつ 足元に置いてあったカーディガンを丁寧に畳む。そして空になったコーヒーカップとスプーンを洗って その足でお風呂へ向かった。
トイレのドアを横目に見ながら手早く服を脱ぎ捨てる。今は籠に入れれば 翌日には綺麗に洗濯されて戻って来る。礼を言えば『今まで俺がやらなすぎだったんだろ。』って何でもない事の様に言う。それはそうかもしれないけど、俺は今まですすんで家事をやってきたんだ。同棲したての頃、手伝おうとする匠を嗜(たしな)めて やらせなかったのは俺だ。匠は不器用だったし俺は割と器用だったから。だから本音を言えば、匠が一つずつ俺の仕事を奪っていくのが嬉しくもあり淋しくもある。俺は匠が思ってくれてる様な出来た人間じゃない。でも匠にずっと俺に甘えてて欲しいと思うのは俺のエゴだ。
匠が変わるなら 俺も変わらなくちゃ。
静かなトイレのドアを一見して浴室に入った。
今日も綺麗。匠は俺の言いつけ通り毎回 お湯で軽くこすった後 冷水で流す、シャンプー類のボトルはタオルで水気を拭いてからラックに戻す、換気扇は翌朝まで切らない、を実践してる。洗剤をつけてゴシゴシ洗うのは週に一回程度で充分なんだ。コツを覚えれば大変でも何でもないんだけど、匠がそれをしてくれてると思うだけで 今まで以上に綺麗に感じる。最初、大きな身体を折り曲げて浴槽の中で洗剤まみれになっている匠を見た時、可愛いすぎて大変だった。洗剤をつけすぎて泡がとんでもない事になってるのに 換気扇回してないし…。
仕事も出来て体格もよくてどこから見ても大人の匠が、眉毛を下げて まるで小さな子供の様に俺に助けを求める姿が堪らなく愛しかった。
さっきの野獣の目をした匠とは まるで別人……
ドクンッ
下肢に急速に血液が集まる。うっすら汗をかき、獲物を射る漆黒の目で 俺を睨み付ける匠を思い出す。厚い胸板に組み敷かれ 自由を奪われ 何処までも俺を追い詰める癖に、時折優しく触れる指先で 甘く俺を溶かす。
ドクンッ ドクンッ
あ…、俺……
泡のついた手を恐る恐る下半身に伸ばす。持ち上がりかけた陰茎は触れただけで急速に形を変える。やんわり包み込めば 泡の滑りも手伝ってか無意識に上下に扱いていた。普段余り自慰をしない俺のそこは 少しの刺激で熱が集まる。あ… 気持ちいい…
浴室のドアはまだ開かない。浴室のドアの そのまた向こうのトイレの中で、今 匠も俺の事を思ってシてるの…?
ドクンッ ドクンッ ドクンッ
気持ちいい… 気持ちいい…
だけど、足りない…。刺激が足りない…。
匠が 足りない………。
匠…匠…匠… 俺の匠…
気が付いたら 床に膝をつき、尻の割れ目に指を這わしていた。長く誰にも触れられる事の無かったその場所は固く口を閉ざし 浸入を拒む。
『真琴…真琴… 』
頭の中で 匠の声がリピートする。匠に触れて欲しい。匠に求められたい…。
怯んで拒んで傷付けた癖に、まだ開かないトイレを睨み付ける。何で出て来ないの?もう俺は必用じゃないの?俺はこんなに匠を求めているのに…。
理不尽な腹立たしさと分かっていながら そう思わずにはいられなかった。扱く左手を止める事なく 右手の中指をそっと突き刺す。
ツプッ
その瞬間、ぶわっと鳥肌が立った。
違う、これじゃない!例え自分の指だろうと ここに触れていいのは この指じゃない!
俺のそこは 誰を待っているのか、
答えは分かりきっていた。
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