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25話(早川視点)
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朝から私は最悪な気分だった
パパの仕事の都合で田舎の高校に転校する事が決まってから本当にテンションは下がりっぱなし
あと1年ちょっとで卒業なんだから一人暮らしさせてって言ったのに今までの素行のせいか全く信用も無いし
本当に仕方なく引っ越しに付いてきた
田舎の学校なんてどうせダサい男子ばっかり
まぁチヤホヤしてくれる部類の男子なら多少ダサくても構わないけど、やっぱ付き合うならイケメンじゃなきゃ嫌
最近彼氏と別れたばかりだし…
でもこんなとこじゃ絶対イケメンの彼氏なんて見付からないって思ってたけど…私は登校初日のHRで飛び切りのイケメンを発見した
廊下側の前から3番目に座る茶髪の彼
名前は分からないけどチラッと見えた顔はかなり私の好み!
担任に指示された席は彼の席とも近いし、これはお近付きになるチャンスかも
まぁ私に言い寄られて断った男子なんて居ないし絶対に彼も落としてみせる
さっそく彼の情報を得ようと机の周りに群がる女子達から聞き出すつもり
「早川さん初めましてー!よろしくね」
「こちらこそよろしく!早川さんなんて他人行儀な呼び方じゃなくて名前で呼んでくれたら嬉しいなぁ」
最初が肝心だから如何にも良い子!って感じで返事をすると話し掛けて来た女子が笑顔で頷く
ぶりっ子し過ぎると女子から嫌われるし、さっぱりとした印象を忘れない
前の学校ではマジで女子から妬みとかで陰口言われまくってたから同性の味方は多いに越したことないでしょ?
「千夏ちゃんめっちゃ可愛いねー!都会の人って感じ」
「えー?そんな事無いよ」
内心せせら笑いながらさりげなく謙遜しておく
「千夏ちゃんって彼氏いるのー?」
違う女子からタイミング良く恋人の話が出た
「居ないよー誰か好い人居たら是非お付き合いしたいなぁとは思ってるけどなかなか出会いも無くて」
もちろん嘘だけど
「えー!そうなの⁉︎」
「可愛いのにー」
「高嶺の花って感じなのかな?」
周りの女子が次々と話し掛けてくる
「だから折角転校したんだし素敵な彼氏が出来たら良いなーって」
「千夏ちゃんならすぐできそう!」
「そうかな?お世辞でも嬉しいな」
「お世辞じゃないよー!あ!高嶺の花と言えばウチのクラスにも居るんだよー」
「芹澤君って言うんだけどー」
おそらくあのイケメンの名前だろう単語に内心ガッツポーズ
「えっとね…ほらほら!あそこに居る子!」
彼女が指差した方向にはやはり茶髪の彼
友達と話しているのか立ってる姿もスラリとした長身でますますタイプ
「えー?誰々?…わぁ!王子様みたいでかっこいいね」
都会でもなかなかお目にかかれないイケメンっぷりにクラスの女子にもかなりライバルが多そう
「芹澤君って本当かっこいいし性格も良いし頭も良いし!」
「それに運動神経も抜群だよねー!」
「えー?凄い!じゃあかなりモテるんだねー」
如何にも興味はあまり無い感じのトーンで話を続ける
ただのミーハーな振りで彼の事を聞き出そう
「かなりモテるよー」
「いつも告白されてるよね?」
「うんうん…だけど理想が高いのか私達が知る限りでは誰とも付き合ってないみたいだよー?」
「凄いねーそれ!」
「そういうストイックなとこも更にモテる要因だよねー」
彼女達は1限のチャイムが鳴るまで芹澤君の事を教えてくれた
皆んな素直で凄く便利だわって内心思ってたけど…芹澤君…ね
見た目がイケメンなのに誠実なんてかなりポイント高いな
先ずは仲良くなろーっと
そんな感じで私の楽しい高校生活は再スタートしたのだった
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