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棚倉side①
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春の香りもだんだんと薄れ初夏が近付いて来た頃。
俺はいつもの様にスタジオの隼也さんの部屋へと来ていた。
その部屋はすっかり俺と隼也さんの共同スペースとなっていて俺のマグカップも置いてくれている。
「ねぇ…まだ仕事終わんないの?」
俺はPCに向かってエロい写真を眺めて仕事をしている隼也さんに後ろから抱きつき、耳元で話す。
「あと少し…」
隼也さんは最近なんだか素っ気ない。
確かに初めから優しさの溢れる男ではなかったけれど、今まで以上に最近は冷たい。
今だって全く俺を気にする事もなくあの返事だ。
「ねぇ…今日久々にアンタん家行っていい?」
そんな俺の可愛いお願いにも「ダメ」と一刀両断。
目も合わせてくれない。
仕事をしている時の隼也さんは好きだし、真剣な表情の横顔も好きだけど…。
最近はいつも断られてばかりだ。
さすがの俺だって少しくらいは落ち込んでしまう。
俺は隼也さんから離れソファに寝転んだ。
ただ待っているのは退屈でとてもつまらない。
いつもなら仕事をしながら時間を潰しているんだけど、あいにく今は仕事が無いのだ。
そうなると隼也さんの仕事が終わるまでただ天井を見つめているしかない。
んー…少し眠くなってきた。
俺は目を閉じ静かな時間に身を任せた。
「おい…起きろ」
ん…まだ眠い…。
眠たい目を擦り何とか開けると隼也さんが俺を覗きこんでいた。
俺が目を開けたのを見ると隼也さんは不意打ちの笑顔。
「おはよ」
そう言うと隼也さんは俺の唇を塞いだ。
深く絡み合うキス。
半分寝ぼけた俺の脳みそはすっかり隼也さんでいっぱいになる。
「ふぁっ……」
唇が離れる頃には二人とも呼吸は乱れていて艶っぽい雰囲気が包む。
そして、当然のように隼也さんの舌や指は俺の身体を這い回る。
家に行かせてもらえなくても、誘いを断られ続けていても、素っ気なくされていても、やる事はやるのだ。
SEXが嫌な訳ではないし、求められるのは嬉しい。
隼也さんから与えられる快感に流されいつも気持ちよく達してしまう俺だが、最近はふと不安になったりもする。
隼也さんは俺の身体があればそれで満足なんじゃないかって…。
態度は冷たく、でも身体は求められるという状況ならそう考えたくもなる。
「隼也…さんっ……だめ……っ」
「出して…いいよ」
隼也さんの言葉を合図に俺は気持ちよく果てる。
不安を抱いているにも関わらず俺の身体は正直だ。
そんな自分がほんの少し嫌になる。
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