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3.5-11
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オトコマエな先輩は。蒔田の女々しいかもしれないような願いを叶えてくれるらしい。
「どんなのがいい?マキが選んでよ」
そう機嫌よく深山は続けた。
だけど。
「あ、でも。それより」
蒔田は今がチャンスだと思って遮った。
「…今度、ミヤさんの部屋に行ったら駄目ですか」
花火のときの話を思い出したからだ。あの時もテリトリーうんぬんの話をして。深山は、部屋に行ってもいいと言わなかっただろうか。
おそるおそる口にした蒔田に、
「んー」
深山は、宙を睨み付けるようにして考えていて。蒔田はしどろもどろに、言葉を続ける。
「泊まりとかじゃなくていいんで」
「別に、何かしたいとかじゃないんですけど」
ミヤさんの、日常を知りたいっていうか。
ここまで続けて、蒔田は自分自身の女々しいを通り越した姿にガックリする。
自分だって、意中でもなんでもないオンナノコに、飲み会の帰りなんかに「おうちに行きたい」なんて言われたら。それはうざったい以外の何物でもなくて。それを今、相思相愛とはいえ目の前の人にぶつけてしまっている。
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