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朝、目を覚ましたら空は快晴で。
深山は自分の日頃の行いがいいからだと無意味に威張って、蒔田の用意した朝食を平らげた。朝起きて30分待たずにご飯を2杯食べられる強靭な胃袋に脱帽だ。
朝食後には、自分のグラブを持って今すぐにでも行く雰囲気の深山だが、まだ時間は8時前。
「試合は10時からですよ」
「知ってるし」
水をさすわけではないが遠足を楽しみにする小学生並の、深山のそわそわぶりに蒔田は自然と笑みがこぼれる。口に出して指摘すると機嫌を損ねるだろうからそれには触れないようにするけれど。
それにしても。深山が手にしている焦げ茶色のグラブは。年期は入っているけど丁寧に手入れされていて。深山が野球をやらなくなって長い間、預かっていた柴田がいかに大切に保管していたのかがよくわかる。
「ミヤさん…愛されてますね」
誰に、とは言わずそう蒔田がつぶやくと。どの文脈で蒔田がそんな感想を抱いたのかわからず、深山は口をへのじにして「やめろよ、きもい」とか言っている。
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