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現状 2
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「やぁ、今日も元気かい?」
穏やかに話しかけてくるのも何時ものことだ。
第一声も同じ。
その問いに何時も俺は答えない。
「いつ見ても綺麗だ。もう少し近づいておくれ」
ゆっくり近くへと泳いで行く。
反抗しても仕方ないからだ。
男は俺との間にあるガラスに両手をあてると、じっと目を覗き込んできた。
「キラキラして宝石のように綺麗な瞳だ。私はいつまでお前を閉じこめておけるかな」
優しい声と顔で残酷な事を言う。
何時ものように「泳いでおくれ」と言うと、椅子に腰掛けてその横に置いてあるテーブルの酒に手をつけた。
俺は言われたとおり自由に泳ぐ。
水の中は気持ちがいい。
海の中ならなおさらだが、このままではそれも叶うことはないだろう。
こんな生活が始まったのは何時からだっただろうか。
俺は自分の尾びれを見ながら思い出した。
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