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練習の日々 6
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それから数日、ルーシャと一緒に朝起きてから庭へ散歩に出て、昼にもまた散歩に出て、という日々を送っていた。
夜は外へは出ないのかとルーシャに聞いたが、暗くて危ないから、という理由で夜は大人しく部屋の中をぐるぐると歩いた。
休ませてくれても良いのになかなかルーシャは厳しい。
それにしても、夜は星空が綺麗なのにもったいない。
窓から空を眺めると、今日も多くの星が空で輝いている。
ルーシャはというと、同じ部屋で何やら綺麗な色の紐を手で編んでいるようだ。
昨日何をしているのかと聞けば、「別に。ただの暇つぶしだ」と言っていた。
俺は綺麗な紐が気になったので、ルーシャが編んでいる様子を見ていたかったのだが、「出来たら見せてやる」と追い払われてしまった。
何もすることがないし、そろそろ寝てしまおうかと思っていたところで玄関の方から声が聞こえてきた。
「こんばんはー!」
この明るい声はサシャだ。
こんな時間に来るのは珍しい。
どうしたのだろうか?
声を聞いたルーシャが急いで玄関へと出迎えに行った。
「ね、今日は流れ星が見られるらしいよ? 外へ見に行こう!」
ニコニコしながらサシャが入ってきたかと思うと、いきなりそんな提案をした。
「サシャ様、しかしもう遅い時間ですよ?」
ルーシャが困ったように言う。
しかしサシャは「えー! せっかく綺麗に見えるのにもったいないよ?」と今すぐにでも外に出たいようだ。
「人魚さんも見たいよね?」
それは……見たいが……。
ルーシャをちらっと見れば、首を左右に振る。
「ルーシャも一緒に見ようよ」
お願い、今日だけだからとサシャに何度もお願いされて、ルーシャは折れたようだった。
「……分かりました。では灯りを持ってきますのでサシャ様はそれを持っていただけますか? 俺はこの方を支えてついて行きますので」
何時ものようにルーシャに肩を貸して貰って立ち上がる。
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