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せんぞく?
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何だかよくわからない。
奴隷商人に殴られたと思ったら、アーサー名前を聞かれ……そして……
(………売られなかった…?)
商人は帰って行き、客室にはアーサーとユーリが残っていた。
「………ユーリ…だったか。」
「は、はい…!」
いきなり名前を呼ばれ、背筋が伸びる。
しかしさっきとは打って変わって優しい声色に少しホッとした。
「こっちへ来い。」
「……はい…。」
見つめられ何となく落ち着かない気持ちになり俯いたり足をぐにぐにしたりしてしまう。
アーサーはそんなユーリの手を取り部屋をでると、どこかへ向かいだした。
(……どこ行くんだろ………)
しばらく歩いていると、アーサーがおもむろに口を開く。
「……お前は今から私の専属奴隷にした。」
「…………せんぞく、奴隷?」
(せんぞく、って何だろう?……痛いやつ?)
ユーリは教育を受けていなかった。
ある程度喋ることはできるが、書くことはできないし、理解できる言葉も少ない。
アーサーは立ち止まり、ユーリを見やる。
「…………意味が、わからんのか?」
「っ……も、申し訳ございません…!!」
ユーリは空いた手で咄嗟に頭を抱える。
「………何をしている。」
「すみません…ごめんなさい…た、叩かないで………下さ……」
最後の方は消え入りそうになっていた。
アーサーはため息を吐くと、震えるユーリの 手を頭から引っぺがす。
「別に咎めているわけではない。意味がわからないのか、と聞いている。」
「…とがめ…て…?……?」
ユーリの不思議そうな顔にアーサーはさらに 深いため息を吐いた。
ユーリはそれにビクッとすると、また謝ろうとする。
が、そんなユーリをアーサーが止めた。
「……いや…良い。奴隷教育をしてこなかった私が悪い。」
そう言うと、もう良いとばかりに歩き出した。
(…きょういく…?わからない………それも痛いやつ……?)
「…まずは風呂だな…あとは服…食事も…」
そしてユーリを眺めた後
「……髪も切らんとな。」
アーサーが何やらブツブツ言っていたが、意味のわからないそれはユーリにとって不安材料にしかならなかった。
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