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外
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「ユーリ、外に出る気はないか。」
昼食を食べ終わり、初めての熱い紅茶を飲んでいた時にアーサーがユーリに問いかけた。
「……そと………」
(そとって何だろう……どこ……?)
「……痛いところ………ですか……」
わからないまま簡単に返事をして痛い思いはしたくない。
ユーリは学習をし始めていた。
「……違う。今日は天気が良いから……気持ちがいいはずだ。」
「…てんき……きもちい…?」
「とにかく出てみろ。気に入るはずだ。」
アーサーの言っていることはわからないが、どうやら痛いようなところではないようだ。
「行くぞ。」
ユーリはアーサーに手を引かれるまま、イスを降りた。
「…お前………しまった……靴を履かせるのを忘れていたな………すまない……。」
赤い絨毯が終わり、ユーリは冷たい大理石の上を歩いていた。
アーサーがそれにふと気づき、眉間にしわを寄せてそう言う。
「くつ…?」
「今度良いのを買ってやろう。今日は我慢しろ。」
と、アーサーはユーリをフワリと抱き上げる。
「っ、ぁ、おれ…1人で…歩けます……」
「外に出て足を怪我したら困る。庭までは私が運ぶから大人しくしろ。」
「あ……は、ぃ………」
ユーリはアーサーの腕の中で固まったまま身動き1つしなくなった。
「…そんなに固まるな……。」
「は、はい………すみません…。」
ユーリはアーサーの袖を控えめに掴み、少し身を寄せた。
「すみません。」
「お前は少し謝りすぎだ。」
「……すみません。」
アーサーはため息を吐くと、ゆっくりと歩き出した。
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