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玩具屋
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「昼食よ。」
「あ、ありがとうございま……」
『バタンッ!』
お礼を言おうとしたところで勢いよくドアを閉められた。
(……俺…すごい嫌われてる…)
別に好かれたいわけでもないが、こうあからさまにやられるとやはり少し傷つく。
「…あひるちゃん、ご飯だって。」
『ピャフッ』
「お腹空いたね。食べようか。」
ユーリはドア付近に放置されたワゴンに駆け寄り覗き込んだ。
「あ!!えっと……フランスパン!!」
ユーリの大好物と温かいスープ、サラダが乗っている。
ユーリはトレーを慎重に床におろし、ペタンと床に座り込んだ。
「あひるちゃんもお腹空いたでしょ?」
ユーリはトレーの反対側にあひるを置くと、フランスパンを手に取った。
大きなフランスパンをちぎりアヒルの口に挟む。
「はい!」
ユーリは残りをさらに小さくちぎりその小さな口に入れた。
「おいひぃ。」
ふと、パンを頬張りながら窓の外を見る。
まだ明るい。
「…夜………まだだね………」
「アーサー兄ちゃん俺これがいい!」
アドルフ御用達のおもちゃ屋を物色しながら歩く。
「…あぁ…好きなだけ買え……だから陶器で遊ぶなよ……」
「わかった!」
アドルフはうるさいくらい元気の良い返事をするとすぐさま店の中を走っていってしまった。
「…………馬鹿が……」
また大量のおもちゃを買わされるに違いない。
そしてアーサーの城に忘れていくのだろう。
…まぁユーリに買うと思えばマシだが。
そしてふと思った。
「……………ユーリにも…何か………」
買いたい。
買ってやりたい。
お下がりじゃなくユーリのために。
(何か…)
そうと決まれば。
アーサーは喜ぶユーリを思い浮かべ、真剣におもちゃ屋を回った。
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