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Episode43
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幸いにも鍵がかかっていなかった屋上の扉を開けると、途端に飛び込んできた陽の光に目が眩んだ。
目が灼ける感じがする。
直射日光をいきなり浴びた俺の目は、暫くの間機能しなかった。視界がチカチカして、頭が痛くなる。
まだまだ残像の残る視界の中でふらふらと立ち上がる。目が眩むのを我慢して見た空は、清々しい程の快晴だ。
…俺と反対だなって、思ってみたり。
屋上が開いていただけあって、やはり落下防止のフェンスは高かった。
よじ登れば何とかなるかもしれないけど、如何せん俺は体力がない。
今も、さっき走った代償が来ている程。
だから、フェンスを次々に見ていって、少しでも身体を傷つけられる部分を探した。
フェンスに寄りかかりながら探していると、あった。
低い位置だったから、床にぺたりと座り込む。
針金と化したフェンスを掴むと、手首に当ててみた。
手が、震えてる。
初めて意識した死に、俺は予想以上に怖がっていた様で。
きっと、凄く痛いんだろうなぁ。
きっと、凄く苦しいんだろうなぁ。
切れたフェンスを掴んで、ぼんやりと考えた。
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