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Episode82
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俺が返事をした日、担当医はいつもより多く喋った。
終始嬉しそうな顔をして、楽しそうに。
返事をした事だって、今日だけじゃなかった筈だけど。
ずっとニコニコしていて、それもいつもの愛想笑いじゃない気がした。
こうやってこいつ単体を見ると、前の話を思い出す。
『人は偽善者』『僕も君と同じだから』
考えれば考える程、分からなくなる。
いっそ聞けば良いんだろうけど、それは何だか嫌だ。
こいつに興味を持ったみたいで、癪に障る。
『僕も君と同じだから』
この担当医も、俺と同じ経験をしたって事か?
なら、この言葉も頷ける。
「侑君?どうしたの?具合悪い?」
上機嫌な雰囲気を拭いきれずに、それでも心配した様子で覗き込んできた。
お前の所為だ。
変に意味深な言葉を言うから。
それから一日悩んだ末、俺はこいつに言葉の真意を聞く事にした。
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