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だれ?
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「……ん……?」
ここが王城だと聞いて死ぬほど驚いた後、更にレオさんがこの国の第二王子だって知って更に驚いて、そのぼくの大袈裟な一挙一動に肩を震わせてクスクス笑いながら、レオさんは「寝て体力回復しておいて。たぶん熱出すし」と言って、ぼくを寝かしつけた。
それから何時間経ったのかは判らないけど、さっきまで明るかった窓の向こうの空は真っ暗だった。
──カタッ
「!」
部屋の向こう側で物音がした。レオさんが戻ってきたのかな。
なんだか頭がすごくふわふわして、夢見心地だったけど、ふかふかのベッドから降りて物音がした方まで歩いていく。
「……レオ、さん?」
「……」
呼びかけて振り向いたのは、レオさんより少し背が低い、この国の人っぽくない顔立ちの男の人だった。
「悪いな。レオン王子が珍しいことするものだからどんな奴なのか気になって入らせてもらった」
「……だれ、ですか……?」
「俺か?そうだな……第一王子様の付き人」
そっか。そういえば、さっきレオさんは自分のことを第二王子って言ってた。第一王子がいるのが普通か。
「このことは内緒にしておいてくれ、セシル」
パチッと左目を閉じてウィンクして、しーっと唇に人差し指を当てる男の人。その仕草ひとつひとつが、どことなく色っぽい。
僕がその色香に軽くあてられてる内にひらひらと手を振って男の人はいなくなってしまった。
「……あれ」
ぼく、誰かに名前教えたっけ?
まぁでも、ここはお城だし、調べる気になればわかっちゃうのかな。
自分でもちょっと忘れかけてた自分の名前。久し振りに呼ばれたことが何だかちょっと擽ったくて嬉しかった。
──ガチャ
「……何で起きてるの。顔赤いし、熱あるんでしょ。何で寝てないの」
「も、物音がして……すぐ寝ます、ごめんなさいっ」
慌てて身を翻そうとしてクラッと頭が揺れる。やば、急に動いたから……。
「何やってんの。着替え持ってきてあげたから、ほら、向こうで着替えるよ」
僕を片手で支えたまま、レオさんは部屋の奥に入っていく。反対の手にはタオルとか着替えを持っていた。
「……物音がしたってことはやっぱりここ入ってた…?……ったく、本当に腹立たしいなぁ……今度兄上に報告しよう」
さっきの人のことかなって思ったけど、あの人に内緒って言われてしまっているから、訊かなかった。
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