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相談
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キーンコーンカーンコーン…
平凡なチャイムの音
その音が耳に入ってやっと、授業が終わったのだと気づいた
「直ー?お前どーしたよ、ぼーっとして」
木村がいつの間にか俺の真横にいた
「やべ、完全に考えごとしてたわ」
「ふーん?」
「…なに?そのリアクション」
怪訝そうな木村の顔をスルーしてもよかったが、なんとなく気になってつっこむ
「んにゃんにゃ、気のせいかもなんだけどさー」
「んー?」
「お前先週なんかあったろ。」
ぎくっ。
まさにそんな、古典的なリアクションをする俺
不意打ちすぎてそうするしかなかったというか…
「図星かー。なに?俺に相談できない系?」
「あー……」
ここで軽く否定すればきっと木村は茶化すなりして話題を変えるだろう
馬鹿なようでいて気は使えるやつだ
いまもわざと軽めに…断りやすいように聞いているのがわかる
…俺はそうすればいいんだと思う
なんもねーとでも言って話題を流す
こんなこと普通の友人に言うもんでもないし、それが1番無難な選択なんだろう
けどやっぱ。
相談…してみたかった
1人では解決できそうもないこの問題を
つまりまぁ気まぐれだ
「長くなるけどいいか?」
平和に学校生活を送るだけの友達。…と思ってた
本気の相談なんてするわけない、と。
実際、こんなふうに立ち往生するような問題がなければ相談なんてしなかっただろう
智春のせいというべきか、智春のおかげというべきか…
ひとまず俺は
最初から、智春とのことを木村に話した
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