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擬人化文房具8
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わしゃわしゃ…
「うぉおい!や、やめろって…ぇ」
人にこういう風にされるのはいつぶりだろうか
照れくさいけどなんだか人(?)のぬくもりが感じられて…ちょっと嬉しかったりする
「よく乾かさないと熱上がるぞ」
「…わかってる」
邪魔だ、と言われてメガネをはずされ視界がぼやけて前がよく見えない
奴がどんな顔していま俺の髪を拭いているのかも…
(髪の毛を拭いてもらうなんて。子供じゃあるまいし…)
しばらく拭いてから変態はスッと立ち上がり部屋を出た
何事だ?と思い出ていったドアを見つめていると、ものの数分で戻ってきた
そしてどこから見つけ出してしたのか手にはドライヤーが…
「こっちのほうがはえー」
(げっ…俺、ドライヤー苦手なんだけどな…)
熱風が耳にかかるあの感触が嫌いなのだ
ゴォオオ…
(ひぃいいいいいいいいいい)
変態は何のお構いもなしにドライヤーを巧みに扱い始める
俺は無意識にぎゅっと目をつむり耐えていた
シュウウ…
コンセントが抜かれる音を合図に目を開ける
髪はびっくりするくらいサラサラだ
「あ…あの…」
俺は、せっせとドライヤーを片付けようとする変態にメガネをかけながら思い切って
「あ、あ、ありがと………」
と言ってからバッと顔をそむける
だって、今の俺の顔は真っ赤だから…
たぶん熱のせいだけでなく
「どういたしまして」
意地の悪そうな顔を向けながら笑いかけてくる
あぁ、どうしてだろう…
相手は人間じゃないのに…こんなにも嬉しいなんて…
人間じゃ……な…い?
そうだった…こいつは…こいつらは人間じゃないんだ…
…好きになんかなるものか
人ではないのだから…
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