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嬉しそうににこにこと笑顔を浮かべる雛の肩をとんとんと叩いたのは紫藤。
「僕と坂井で持ってくるから、雛は席取っといてよ。A定食でいい?」
「ほんと?じゃあお願いするね」
「うん。坂井、行こう」
2人のやり取りを見て、勝手に決めるなと文句を言いたかったがそれを飲み込んで黙って紫藤の後を追う。
振り返ると「空いてる席あるかなぁ」ときょろきょろしながら離れていく雛が見えた。
またあんなふらふら歩いて、誰かにぶつかったらどうすんだ、馬鹿雛。
頼りない背中を見て、大きく息を吸い込む。
それに、あいつは気付いてんのか?
雛に向けられているたくさんの視線に。
雛の様子をちらちらと伺う気に入らない輩を、嵐が睨み付けて牽制していると、隣にいる紫藤に肩を小突かれた。
「なんだ」と短く問えば、「鬼みたいな顔してんなよ」と紫藤が笑う。勿論視線は雛の背中から外さない。
雛がやっと席についたことを確認してから、嵐は視線を戻した。
紫藤は呆れたように笑っている。
「まあ、心配なのは分かるけどさ...。てか、お姫様、最近大学来てるんだね。話題になってるよ」
「話題?」
「うん、姫とヤンキーの組み合わせが珍しいんだろうね」
「ヤンキーじゃねえし」
「二人とも目立つのに、ずっと一緒にいるから尚更目立ってるよ」
「目立ってるか?」
「うん。お前顔はいいし、雛はあんなでしょ?美男美女だって」
「あほくせー」
「付き合ってるの?」
「俺と雛が?」
「うん」
「ねーよ。さっさと食券買うぞ」
分かり切ったことを聞く紫藤を鼻で笑いながら、ただそう答えた。
付き合う、とか
これから先もずっとない
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