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2ー04
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そう言って差し出されたのは1枚の青いカラフルなチケット。
表には『ドリームパーク』とポップな文字で大きく描かれていて俺は驚いた。
「え、これって…あの有名な遊園地の入場チケットじゃないですか!!」
昔から部活三昧だったから、そういう大型の娯楽施設に行った事が無い俺には衝撃的なチケットで目が輝いてしまう。
そんな俺を見据えながら透也さんの頬が少しだけ緩んだ。
「随分良い反応だな」
「俺こういうトコ行った事が無くて…本当に良いんですか?!」
「ああ。偶々知り合いに貰ったんだが、丁度テスト後に1日だけ部活も休みだし…良い息抜きになるだろうから」
嬉しくて顔が綻ぶ俺に、透也さんの大きい手が頭に軽く乗せられる。
「朝10時に駅前で待ち合わせで構わないか?」
「はい!」
笑顔で答えれば透也さんは満足そうに頷いた。
そしてそのまま別れた後も、その日の事を考えて頬が緩んでしまう。
すっげー楽しみだ、絶叫系のアトラクションは絶対乗っておきたいよな!
…単純過ぎる俺は、この時肝心な事を完全に忘れていた。
それに気づいたのは、期末テストを終えた後の約束の当日。
この日は快晴で、外で遊ぶには持って来いの天気だ。
透也さんと待ち合わせる駅にウエストバッグを肩に掛け、軽い小走りで向かう。
腕時計を確認すれば9時40分…これなら十分間に合いそうだ。
とりあえず遊園地に行くわけだから動き易い格好が良いだろうと思って、黒地の軽いデザインがプリントされたTシャツに緑のチェック柄の薄手の上着、
ズボンは七分丈で焦げ茶色のカーゴパンツに黒のビーチサンダルとラフな服装にしてみた。
まぁ殆ど普段着みたいなモンだけど。
そして駅の周辺に着くと人混みの中、透也さんの姿を探して辺りを見渡す。
休日だと流石に人の流れが多いな…。
なんて思ってると、偶々隣をすれ違った女の子達の興奮気味の声が聞こえてきた。
「ちょっと見た?!さっき向こうで立ってた人!」
「見た見た!モデルみたいにスッゴい格好良かったよねー!」
「あの感じだと彼女とか待ってたのかな?羨ましいー」
へーそんなに格好良い人が居るんだ。
和気あいあいとする女の子達の会話に差ほど気にも止めず通り過ぎると、少し先に透也さんらしき頭が見える。
身長があるから探しやすくて助かるなーなんて思ってはっきりと確認出来る距離まで来ると、俺は思わず足を止めてしまった。
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