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2ー05
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視界に映るのは七分袖の白いYシャツに黒と灰色のツートンカラーのベスト、黒のスラックスに茶色の革靴と、どこからどう見ても高校生には見えないあの人だった。
…制服やユニフォーム姿とは随分印象が変わる透也さんの格好に俺は困惑する。
俺達確か…遊園地に行くんだよな?
どっかの高級クラブとかじゃないよな?
なんて思考をグルグルさせていると、透也さんが此方に気付いて近付いてきた。
周りの女の子達が次々と透也さんを見てうっとりとしている。
ああ…さっきの子達が言ってた格好良い人って、透也さんの事だったのか。
「早かったな」
俺の前で立ち止まった透也さんは微かに笑顔を向けてくる。
けど今回は周りの女の子の熱い視線が集まって、とても気まずい。
「待たせるのはどうかと思って早めに来たつもりだったんですけど、結局待たせちゃってたみたいですね…はは」
「俺も来たばかりだから気にするな、行くぞ」
「あ、はい!」
透也さんは周りの視線を気にする様子もなく歩き始め、俺は少しだけ距離を置きながら並んでみた。
そして少し前にすれ違った女の子達の言葉を思い出す。
『あの感じだと彼女とか待ってたのかな?』
…まさか俺って彼女、なのか?
男だからそれはおかしいだろ。
って事はつまり彼氏…いや待て落ち着け、そもそも付き合って………あ!
そういや俺「はい」って言っちゃってた!
何も考えずに返事してた!
うおぉぉー畜生ッ!あの日の俺を今すぐぶっ飛ばしたい………それにキスまでされ……。
……キス?!
俺はたった今、重大な事を思い出した。
どうしてのこのこ誘いに乗ってんだよ!
只でさえ最近の透也さんの行動がワケ分かんないのに、二人っきりになったらどうなるか……俺の足りない頭じゃ想像すら出来ない。
一人悩みまくっていると、透也さんの笑いを含んだ声が聞こえてきた。
「本当にお前の表情は見ていて飽きないな。ほら、着いたぞ」
「え?!あ…」
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