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3ー08
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「…やっぱり、ソイツが原因か」
「な…んで…」
「…寝言で呼んでたんだ…まさかとは思ったけど」
そこまで言うと孝は黙り込み…遠くに視線を移す。
表情から何を考えてるかは全く読み取れない。
何を問われるのか不安になっていると、孝は静かに口を開いた。
「…お前の泣き顔、久しぶりに見た」
「へ?」
「………」
「……こ、孝?」
「…時間」
「え?」
「…7時」
「し…7時って…あ!部活!!」
朝からの部活を思い出して慌てて飛び起き、急いで学校指定のジャージに着替える。
孝ならてっきり透也さんについて追求してくるかと思ったけど…俺の考え過ぎだったのかな。
一通り着替え終え、孝に視線を戻した。
「その…昨日は、ありがとな。じゃあ行ってくる!あ、孝の分も飯用意してもらう?」
「…いや、もう少し寝る」
「そっか。休みだからって寝過ぎんなよー」
「…ああ」
そして鞄を手に、俺は部屋を飛び出す。
けどその時俺は…拳を握り締める孝の真意に気付く事は無かった。
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