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第四話「本当の気持ち」01
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透也さんに避けられる様になって一週間が過ぎた。
いや…それ以上の時間かもしれない。
曖昧なのは多分…俺もまだ、踏ん切りを付けられていないからだと思う。
時間が経てば忘れていくものと聞いた事があるけど、忘れる所か日に日に痛みが強くなっていくばかりで。
「小神!テメェふざけてんのか!!」
「っ!」
同じポジションの先輩に怒鳴られ、現実に引き戻される。
ああ…またやってしまった。
「もっと集中しろ!次行くぞ!!」
「は、はい!」
部活に没頭して気を紛らわそうとしてるのに、気付いたら透也さんを目で追ってしまい、ボンヤリとしてしまう事が増えた…それに。
「圭ちゃん、最近元気無いね。大丈夫?」
仲の良い一年部員が心配して俺に声を掛けてくる事が増えていた。
それにお決まりの言葉で返答する。
「大丈夫、大丈夫!超元気!」
「本当に?それなら良いんだけど…」
「らしくないミスも増えてるし、何か悩みでも有るならいつでも僕らに話したまえよ!」
「はは、ありがとう」
「あとそうだ、速水先輩と喧嘩でもした?」
透也さんの事を聞かれ、動揺しそうになるのを何とか堪えた。
「な、何で?」
「最近一緒に居ないし…先輩の雰囲気がまた近づきにくい感じになってるから、圭ちゃんなら知ってると思ったんだけど」
「あはは…さぁ、どうなんだろう」
「…ふーん?」
疑いの眼差しを向けられて、冷や汗が流れつつも笑って誤魔化す。
原因は間違いなく俺、だもんな。
こんなんじゃダメだ。
頭では分かっているのに…心がついて行かない。
俺は…どうすれば良いんだろう。
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